2024/12/18

高1進路-卒業生OGのお話

11/7(木)LHRの時間に、卒業生の飯沼里可子さんと山口沙耶さんを招いての講演を行いました。主に大学や社会に出てからの経験をお話くださいました。進路選択に迷う高1にとって、先輩がこれまで経験してきたことをお話くださったことはとてもありがたい機会となりました。

北海道立総合研究機構エネルギー・環境・地質研究所の山口さん、研究職員として

山口さんは、研究職としての道を歩まれています。
山口さんの現在の仕事は今話題となっている熊などの野生動物管理についてでした。
特に研究と行政の間を取り持つような仕事で、地域の人たちとのコミュニケーションがとても重要になってきます。
それに答えはなく、様々な立場と倫理的な面、人それぞれの考え方を認めながらも自分の考えを伝えていき、意見をまとめていくことの大切さを教えていただきました。
このように、いわゆる理系の研究と一言で言っても、様々な道がある、様々な力が必要である、ということを教えてもらいました。
そのため、国語や社会などのいわゆる文系科目が苦手な生徒の中には、そういった科目に対する勉強のモチベーションをあげるきっかけにもなりました。

また、山口さんはその後の生徒からの感想にもお答えくださいました。
一部を少し紹介します。
Q1.山口さんは、今のお仕事の道に進むことに不安や迷いを感じたことはありましたか?
A1.不安を感じたことはあります!
野生動物管理の分野に興味を感じて農学部に進学した当時、勉強したい分野ははっきりしていたものの、日本でどういう仕事に就けば野生動物に関わることができるのか、実はあまり見当がついていませんでした。就職活動をするときは、大学の研究室の先輩の就職先などを参考に、野生動物管理の知識が活かせる職業は?と模索しながら公務員や民間企業、研究機関など様々なところを受けました。最終的に研究職を選んだのは、今の職場が、私の野生動物管理の仕事のイメージに近く、最も憧れを感じたからです。

たくさんの可能性があると、自分の選択が正しいのか、不安になりますよね。学部の選択は、大きくて重たい選択だと感じられていると想像します。仕事をしている中で気が付いたことですが、野生動物の研究といっても、農学、林学、理学、獣医学、社会学、文学と非常に幅広い学部に所属される方々が研究に取り組んでいます。裏を返せば、ひとつの学問の知識が、例えば農学部なら農業に限らず活用できるということだと思います。

Q2.高2、高3で勉強も部活も忙しくなる時に気をつけた方が良いこと、当時意識されていたこと、やっておけば良かったと思うことがあれば教えていただきたいです。
A2.一番は心身の健康維持です!決して無理はしないこと!
それから、当時は、自分にはなんの勉強が足りていないのか意識していました。例えば、数学の科目で考えたときに、受験に必要な内容のうち、自分はどれくらい理解しているか、よくわかっていない内容はないか、受験に間に合わせるとしたら、一日に何問解いて勉強したら間に合うか、など。受験までにやっておきたいことを踏まえて勉強のスケジュールを考えていました。
何しろ一生懸命だったので、やっておけばよかった~という記憶より、自分、よく頑張った、という気持ちが強く残っています。

パルファン・クリスチャン・ディオール・ジャポンの飯沼さん

飯沼さんは、アパレル業界で国内・外資系と多くの企業を転々となさり、キャリアアップしている経験をお話くださいました。
一つの場所に拘るのではなく、自身のスキルアップとやりたいことから様々な道を自分自身で切り開いていった飯沼さんの姿は、生徒にとって世界が広がっていくきっかけにもなったかもしれません。
グローバルな活躍に必要な英語力をつけたいと思った生徒も多く、目の前の英語の勉強のモチベーションがあがったようです。
また、非認知能力の話はとても興味深い話だったようで、テストの点数ばかりを気にするのではなく、点数では測れないものの重要性を改めて知る機会にもなりました。

自分が将来何をしたいのか、どんな人生を歩みたいのか、漠然とした中で不安を感じる生徒も多いのが高校1年生です。
そんな彼女たちにとって、同じ英和を卒業して様々な場所で活躍する先輩の姿は、一つの指標になります。
東洋英和では、毎年この時期に卒業生を招いて、高1向けの講演会を開催しています。
そして、今回の山口さんと飯沼さんの話を聞いた高1の彼女たちが、いつかまた英和に帰ってきた未来の英和生に立派な背中を見せてくれることと思います。
そうして東洋英和という繋がりがこの先も大切に守られ、この講演会が今後も無事に開催されることを祈っております。