かえでの保育だより

日本の伝統的な遊びの楽しさとその意義

新しい歌を主に歌え、 全地よ、主に向かって歌え。
  主に歌い、その名をたたえ 日ごとに救いの良い知らせを告げよ。 
                           旧約聖書 詩編 96章1~2節 
 
 新しい年となりました。この1年が皆様にとって豊かな恵みの年となりますようお祈りいたします。日本ではお正月によく回しをしますが、かえで幼稚園にも、色々な種類の独楽が各年齢の保育室にあります。それらは、年少組のひねり独楽から始められるように環境設定されていて、年中組では紐での引き独楽、年長組では心棒に紐を巻いてから、勢いよく引いて回す投げ独楽へチャレンジできるように配置され、集いの時間に楽しむこともあります。年長組の子どもたちは独楽を回すことができるようになると、保育者から一つずつ渡される独楽に思い思いの色で模様を描き、愛着のあるマイ独楽で、さらに様々な独楽回しの技に挑戦を続けます。どうひねったら、よく独楽が回るかに始まり、投げ独楽では紐のかけ方、独楽を投げる方向など何度も自分の手でくりかえしてその技を習得していくわけですが、その過程では、単に独楽を回す能力だけでなく、考え工夫し、挑戦する気持ちが育っていくのが見て取れます。
 そして冬の冷たく強い風に舞う凧揚げも子どもたちの好きな遊びです。それぞれの手の業を工夫してよく飛ぶ凧を作ることや、思い切り走りながらそれを飛ばすことは子どもたちを夢中にします。凧は目には見えない気体の存在や重力・風力などの普段意識に上らない物理の法則を体感的に教えてくれる遊びでもあります。
 またわらべ歌遊びは、「はないちもんめ」「どんどんばし」「あぶくたった煮え立った」など友だちと一緒になって体をたくさん使う遊びなのですが、音楽リズムや体の育ちを支えるだけでなく、大人になってからのコミュニケーション能力にも良い影響を与えているようです。大学教員時代に私のゼミの学生で、子どものころ楽しんだわらべうた遊びがその後の人生に影響を与えていないかを卒論研究にしたいと言った学生がいました。自分を振り返ると、友だちと関わり合いながら遊ぶわらべ歌遊びは、人間関係を学び、コミュニケーション能力を磨く基となったように感じるから、と言うのです。そこで幼いころどれくらいわらべうた遊びをしていたかの頻度と、大学生になった現在の外向性などコミュニケーション能力との関連性を調べたところ、彼女の仮説通り、わらべうた遊びの頻度の高さとコミュニケーション能力の高さは比例していました。
 色々な遊びは、子どもたちの様々な力を育てていきます。ただしどのような遊びがどのように子どもたちの心と体を育てていくかについては、未だわからないことがたくさんあります。そうは言っても考えてみると、この遊びのこのことがコレコレを育てているなどと傍にいる保育者が固く考えていると、遊びは面白くならず、純粋な遊びにはならないかもしれません。子どもたちと共に心から遊びを楽しみ・共感し・支えてこそ、子どもたちの豊かな成長があります。それこそが、かえで幼稚園の遊びであり、保育であると考えます。2026年も子どもたちの変わらぬ生き生きした遊びを支えていきたいと思います。  
                                 山下久美 

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