かえでの保育だより

一番大切な時

何事にも時があり/天の下の出来事にはすべて定められた時がある。」

 聖書 コヘレトの言葉 3章1節  

夏休みと聞くと、私は今でもうきうきしてしまいますが、子どもたちはというと、毎日、いつものように幼稚園で遊びたいという人、旅行に行くのを楽しみにしている人と、それぞれのようです。保護者の方からは、楽しい夏休みではあるものの、幼稚園や小学校が長期休みであるのは「大変」という声も耳にします。

50年近く前のことです。まだ私が新米保育者であったころの記憶ですが、ある保護者が「先生、長い夏休みどうやって過ごしたらいいのか...ああ明日からが思いやられる」と、言われていたことを思い出します。4人のお子さんのお母さまだったからかもしれませんが、一人っ子なら楽なのかと言えば、そうとも言えないと思います。人はもともと一緒に過ごす相手を求める存在ですから、きょうだいが居なければ、保護者に相手を求める割合が高くなり、その意味でも、決して楽ということはないでしょう。

  夏休み、お子さんとの時間を満喫したいという方は、存分に楽しい時を過ごしていただきたいと思います。メープルを予約されている方は、仕事だけでなく、1人の人としての時間も充実させたり、休息をとるためにも、ご利用いただければと思います。メープルがある事によって、お父様お母様の心と体がリフレッシュされ、家庭ではお子さんとしっかり向き合う密度の濃い時間を過ごしていただければ、嬉しく思います。

 ところで、子どもの年間行方不明者の人数が、意外に多いことを、ある方から聞いて調べてみました。2024年に警視庁に届けられた0歳から9歳までの子どもの行方不明者数は、1035人にのぼるということです。1000人を超える状況はずっと変わっていません。幼い子どもは自分の意思ではなく迷子になってしまうことがあります。目を離さず、見守ることの重要性を改めて感じました。しかし最も人数が多い年代は10~20代で、昨年は、10代が20代を上回り、16645人にもなっています。幼児期の16倍以上です。

 思春期には、どんな人にも、どこか不安定で危なっかしい時期が訪れます。家出をしたくなったり、常々してはいけないと親から注意されていることに手を出して犯罪に巻き込まれるというようなことも起こり得ます。それをどうしたら止められるのでしょうか。私は、幼児期の家族や周囲の人たちとの絆や強い信頼関係が鍵なのではないかと考えます。家族を裏切ることはできないという想い、また愛されている自分を大切しなければいけないという気持ちを育てることができるのは「今でしょう」という思いにさせられます。幼児期の今が、生涯の心身の健康を考える意味でも最も重要な時期であるということは明らかです。

 かえで幼稚園はご家庭と共に、この夏も子どもたちの健やかな成長を祈り、支えていきたいと願っています。                            山下久美

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