イエスさまに出会うクリスマス
羊飼いたちは、「さあ、ベツレヘムへ行こう、主が知らせてくださったその出来事を見ようではないか」と話し合った。 聖書 ルカによる福音書 2章15節より
ベツレヘムとは、イエスさまがお生まれになったとされる場所の地名です。ところで、キリストの誕生場面では、よく羊と羊飼いが登場します。美しく描かれたその情景を、幼い頃は何の疑問も持たずに眺めていました。でも、大人になって分かったことは、実は人の世の厳しい現実を表したものだったということです。聖書の中に、「その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。」とあります。この羊飼いたちは、羊の持ち主ではなく、ただ夜通し危険な動物や盗賊から羊を守るために雇われた人たちなのだそうです。つまり、寒い夜に寝床で休むことも許されず、貧しく、きつい仕事をしていた人々であったということです。天のみ使いの、神の御子イエスさまのお誕生の知らせは、誰よりも早く、この羊飼いたちに届けられました。当時のユダヤの国の、社会的地位が高い王や貴族のところではなく、社会的階層が低いとされていた人々のところに一番先に、届けられたというのです。このことは、神さまの愛が、最も救いを必要としている人々の所に、先ず示されるのだということを象徴的に表しているといえます。
イエスさまがお生まれになり、寝かされたのは、宮殿の豪華なゆりかごの中ではなく、本来は人のいる場所ではない、寒々しく、あまりにみすぼらしい、家畜小屋の飼い葉桶の中でした。イエスさまは人々を高みから眺めるのではなく、自らをどんな人よりも徹底して低くし、人々の苦しさ、辛さを体感してくださったということなのです。常に弱者に寄り添い、どんな痛みも分かる存在となるために、イエスさまはお生まれになりました。
辛い現実の中にあった羊飼いたちですが、み使いの知らせが一番に届き、喜び勇んでイエス様に会いに行きます。そこで天使が知らせてくださった通りであったことを、目撃するのです。
このイエス・キリスト誕生の物語には、神さまが私たちを愛し、史上最大の贈り物としてイエスさまをくださったということが表されています。
子ども時代の私は、クリスマスと言えば、サンタクロースを思い描き、プレゼントと言えば、もらうことだけが頭にありました。でも、かえで幼稚園の子どもたちは、サンタクロースも大切な存在ですが、それ以上の神様からのプレゼントであるイエスさまのお誕生された日がクリスマスだと知っています。そして自分たちにいただいているたくさんの恵みを感じていきます。
クリスマスはその恵みに感謝し、他者と分かち合う喜びを実感する時です。小さな手を一生懸命動かして、大好きな家族にプレゼントを作ります。他者のために役立つ働きができることは、子どもたちにとって、大きな自信となっていきます。神さまとたくさんの人々に愛され、幼児なりにも神さまの愛に応えたいという思いが芽生え、人のために何かをすることの喜びに溢れるクリスマスです。
山下久美
