かえでの保育だより

クリスマスの喜びは・・・ ―待つということ・誰かに喜びを与えること―

アドベント! アドベント!

   小さな炎が 燃えている

   最初はひとつ それから ふたつ

   三つになって 四つになると

   黄金の扉が開きます

                  H&J.ツィンク

「神さま ようこそわが家へ」(新教出版社)より

 

私は、保育者になったばかりの頃に出会ったこの詩を大切に思い、今年もアドベントⅠ礼拝の中でろうそくに火を灯す時、口にしました。(先日、東洋英和幼稚園園長の堤先生とお話した時に、同世代の堤先生もこの詩に同じ思いを持っていらっしゃることがわかり、嬉しく思いました)

「最初はひとつ、それから ふたつ・・」と、光が増すことを数えながら、クリスマスを待つことは、大人の私にとってもですが、子どもたちにとって、わかりやすく嬉しい時の流れです。ろうそくの火は、礼拝の中だけではなく、西口玄関からの登園の時にも、各クラスでの帰りの集まりの中でも灯されます。子どもたちはそのたびに、まっすぐなまなざしで炎をみつめています。年中組・年長組の子どもたちのご家庭では、親子で作り持ち帰ったアドベントクランツの火を、家族での食卓などで灯す時をもっていらっしゃるようです。卒業生のお宅からは、卒業して何年も経っていても、このシーズンには戸棚からクランツを出して火を灯しているというお話が届きます。

 

 

必ず訪れる時を信じて待つというこの体験は、「待つ」ことの大切さと喜びを子どもたちの心の中に与えています。

 

さてクリスマスを待ちながら、子どもたちもお家の方も贈り物を作るために手を動かしています。アドベントの2週目に入って、オリーブの部屋で仕事をしている私のところに、その報告をしに来る子どもがいます。大抵声をひそめて「あのね・・ママにプレゼント作っているんだ・・ないしょだよ」等と嬉しそうに言います。「よろこんでくれるかなあ・・」とにこにこしながら言う子どももいます。少しずつ少しずつ仕上げているその過程が幸せそうです。

「喜んでくれるかな」「喜んでもらえたら良いなあ・・」と、相手のことを思いめぐらしながら準備するというその時間を与えられている、そのことがクリスマスの喜びのひとつだと思います。

クリスマス礼拝の日にもたれる贈り物の交換の時、まずは大人が受け止め上手になり、贈り物にこめられた子どもの思いと、その子の存在を喜びましょう。

 

それぞれのクリスマス礼拝において、ともに4本のろうそくの光をみつめましょう。神さまが、ひとり子であるイエスさまを平和の主として、心の中の光として、そして救い主として、私たちに贈ってくださったことに感謝し、礼拝し喜びを分かち合いましょう。

黄金の扉(クリスマスの扉)は、誰にも開かれます。

 

「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された」

           ヨハネによる福音書3章16節より

 

                      大漉知子

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