研究科案内

吉川 健治 教授 (文化科学修士)

  • 専任教員氏名:吉川 健治
  • 専門分野:社会開発論、国際開発協力論、NGO・NPO論

    〇主な所属学会:日本国際政治学会、国際開発学会

研究テーマ

国際協力、社会開発、国際NGOの役割、東南アジア(内陸部)の社会経済

指導可能なテーマ

東南アジアの開発、国際協力理論、NGO論、貧困問題、社会開発論など

論文作成指導方法

話し合いによって問題意識を明らかにし、テーマの設定、論文の構成などを早期に考え、必要な文献や調査に関しては適時指導を行う。四半期を目途に進捗状況を報告し、内容を深めていく。

担当科目

国際NGO特論
グローバルな課題に取り組む主体として国際NGOの役割が注目されている。NGOが国際関係においてどのような主体であり。どのような活動に取り組んでいるのか、実例をあげて考察する。
社会開発特論
1990年代からの開発援助において、社会開発が大きな注目を浴びている。それまでの経済開発に比して、社会全体の発展を目指しており、住民全体のボトムアップなど一人ひとりの発展に寄与することを目的にしている。貧困、ジェンダー、環境などの課題を社会開発論から考察したい。
国際協力特論
グローバル経済の進展とともに世界の経済相互関係が深まる中、開発、人権、平和、環境など国際的諸問題に人類は直面している。これらの諸問題解決には様々なアクターの参加不可欠とされている。従来は主権国家主導であった国際協力の取り組みも、いまや国際機関、企業、自治体、NGO、さらにはSNSを利用した個人の参加と役割も増大している。こうした国際協力の実際を紐解くのが本講義の目的である。
 まず、全体的な理念を理解するため国際協力の歴史的経緯を学び、その変遷から現代に至る課題を考察したい。また、先進国の経済政策やグローバル経済が格差を生み出す構造についても学んでいきたい。
 次に現代的な問題である環境、人権、難民についてそれぞれの概念、問題を生み出す背景について議論し、人間の安全保障の理念も探求する。さらに、国際協力の主体となる国際NGOや民間企業(特にCSR)ついて理解し、それぞれの役割、理念を考察する。最終的には多様な主体が参加するグローバルガバナンスの概念と将来的な展望を明らかにすることにつとめたい。


●教員業績はこちらをご覧ください

履歴・職歴等

1981年から国際NGOに参加し、カンボジア難民救援事業に従事。以来、タイ、ラオス等で開発事業、中東湾岸地域での人道支援に関わる。外務省NGO専門調査員、アフガニスタン、スリランカでコンサルタントとして開発計画に携わった。早稲田大学大学院社会科学研究科博士課程満期退学。2019年度からベトナム国家大学ハノイ校(日越大学)にて「International Development 」を兼任で担当。

著書・論文

「働き方とディーセント・ライフ」(東洋英和女学院大学現代史研究所第10号2014)
「グローバリゼーションと市民社会」(岡本浩一、パトリシア・スイッペル編『グローバリゼーションとリスク社会』春風社2014)
「ラオスが直面する『経済成長』のジレンマ」(山田満編『東南アジアの紛争予防と「人間の安全保障」』明石書店2016)
「ラオスのメディア」(小寺敦之編『世界のメディア』春風社2018)
「社会開発」「企業の社会的責任(CSR)」(山田満編『改訂 新しい国際協力論』明石書店2018)

受験生へのメッセージ

長く国際開発の現場で活動してきました。その経験をもとに国際協力のあり方やNGOの役割等を議論していきたいと考えています。

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