河野 毅 教授(Ph.D.政治学)(研究科長)
- 専任教員氏名:河野 毅
- 専門分野:比較政治、国連の役割、地球規模課題・国境を越える課題、社会運動
〇所属学会:American Political Science Association, American Sociological Association, 比較政治学会、国際安全保障学会、アジア政経学会、Association for Asian Studies
研究テーマ
グローバルに取り組まなければならない多くの課題(麻薬、武器密輸出入、人身売買などの組織犯罪、テロ、気候変動、公害など)に対する対策の研究を通じ、対策に取り組む人間一人一人の可能性を追求しています。
指導可能なテーマ
グローバルガバナンス、社会運動の視点から見た上記の課題
論文作成指導方法
まずは「何故こんなことが起こるんだろう?」というパズルを見つけましょう。そのパズルを見つけるためには、興味あるトピックについて論文や本を読んで、関心事項の事実を積み上げて、ああでもない、こうでもない、とパズルを解くような気持ちで物事を考えましょう。そうすると論文になりそうなリサーチクエスチョンが出て来ます。このパズルの発見を支援しつつ授業を進めます。
担当科目
国際機構論 | このクラスは、修士課程に必要な理論を習得できるようにデザインされている。具体的には、国際連合(国連)を構成する「国」の意味を理解し、国連を理解するために必要な知識を深く学び、グローバルな視点で想像力を働かせながら国連(そして世界)の現在と将来を考える。修士レベルのゼミであるので、活発な発言を要求されるため、課題を十分咀嚼して授業に臨み、教員、学生の隔てなく、議論を通じ共に学ぶこと。 |
国際社会ワークショップ | 本ワークショップでは、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」(いわゆるSDGs)の原典を精読することで、世界の趨勢を原典に沿って理解することを目的とする。原典としては英文を活用し、外務省作成の日本語仮訳を参考にすることとする。SDGsの解説本を超えて、その背景と議論の理解を深めることで、国際協力の実務に役立つ知識とスキルを身につける。SDGsは広範な課題をカバーしているので、特に履修者自身が関心を抱くトピックを足掛かりに、文献・資料を検索しつつ理解を深めてほしい。 |
履歴・職歴等
1988 法学士 同志社大学法学部
1993 MAIA(国際関係)オハイオ大学東南アジア研究センター
1998 MA(政治学) オハイオ州立大学政治学部
2003 PhD(政治学) オハイオ州立大学政治学部
2009/07~2011/08 在東ティモール日本国大使館政務班長 一等書記官
2011/09~2015/08 国連開発計画対外関係・アドボカシー局 特別顧問
2015/07~2015/08 在東ティモール国連開発計画事務所長代行兼常駐代表臨時代理
2015/09~2015/10 外務省総合外交政策局国連企画調整課 課長補佐
2015/10~2016/03 外務省総合外交政策局国際安全・治安対策協力室 課長補佐
2016/04~ 東洋英和女学院大学 国際社会学部 教授 (現在に至る)
著書・論文
“Three Endowments of Timor-Leste: How a New, Small and Poor Country Survives.” in Chi Zhang ed. Compliance and Resistance: Governance in Transitional Societies in East and Southeast Asia. 2023. UK: Palgrave, pp. 149-169.
With Chris Arries, “Interdependent Industrialization: Japan, Indonesia and the Asahan Project,”
Tijdschrift voor economisce en sociale geografie. 34 No.3 (1993), pp. 207-219.
“The Political Background of Islamic Education Institutions and the Reach of the State in Southeast Asia,” Studia Islamika. vol.16, No.2 (2009), pp. 1-22.
The Emergence of the Legal Aid Institution in Authoritarian Indonesia. VDM Verlag Dr. Müller, 2010.
“The Japanese Civilian Participation in Maritime Security in Asia,” in Sam Batem-an and Joshua Ho eds., Southeast Asia and Rise of Chinese and Indian Naval Power. Routledge, 2010, pp. 172-183.
Book review, “Non-Traditional Security in Asia,” Pacific Affairs, Vol.87, No.2, (2014), pp 297-299.
「政治改革と法律扶助運動」編者:島田 弦 『叢書 アジア法整備支援 インドネシア:民主化とグローバリゼーションへの挑戦』(2020年6月)旬報社、pp.477-515.
“To Combat Extremism, How to Frame Religion Matters: Southeast Asia in Comparative Perspective,” Studia Islamika Vol. 28, No 3 (2021), pp.483-515.
(共著)アンダーウッド ポール R.・平体 由美 河野 毅・コウオジェイ マグダレナ
「地球温暖化対策の難しさとCOP26の成果」 東洋英和女学院大学国際関係研究所、『国際関係研究』 第2号 2022年3月発行pp.1-17.
「国連におけるSDGsの発祥からみる人類の進歩」桜井愛子・平体由美編著『社会科学からみるSDGs』(2022年4月)小鳥遊書房、pp.278-297.
「ミャンマーの混迷 限られた役割の中で国連は何ができるか」 熊谷嘉隆&水野智仁編著『秋田から考えるアジアの地域協力』(2022年12月) 芦書房、pp.195-213.
受験生へのメッセージ
大学院は,考え方を学ぶところです。知識の多さを競うところでは有りません。沢山の考え方を学び,それぞれの強さ,弱さを議論します。例えば,考え方の強弱は,サイエンスに基づいて信頼できる知識を積み重ねて結論に至っているかとどうかを精査することで(少しですが)分かってきます。そして,信頼できる知識を積み重ねるというのは時間と労力のかかるものですが,平和で繁栄する世界を作るためには必要なものです。大学院では,サイエンスの大切さを考えながら自らを鍛えるという貴重な経験をします。世界が抱える課題を考え,共にサイエンスをやりたい,という学生を歓迎します!