田中 智彦(教授)

- 専任教員氏名:田中 智彦
- 分野:死生学
- 専門分野:哲学、倫理学、思想史
〇主な所属学会
日本生命倫理学会、日本倫理学会、日本政治思想学会
研究テーマ
メタバイオエシックス、特に生命をめぐる倫理・政治・科学技術の思想史
指導可能なテーマ
医学・医療・生命科学技術の倫理的問題について
バイオエシックス(生命倫理)の思想と歴史について
近現代の人間観・死生観の来歴と課題について
論文作成指導方法
学術文献その他の資料の精読・検討とそれにもとづく討論を通じて、問題意識を明確にし、研究テーマと論文の構想を具体化するとともに、文献・資料等の収集・分析・考察の方法を学びます。また、折々に研究報告や成果発表を行い、フィードバックを受けることで、より深い考察と高い論理性をそなえた論文の執筆・完成を目指します。
担当科目
死生学特論 | 現代の「死」と「生」、そして「死生観」の歴史的・文化的な起源や系譜をたずね、そこにはどのような意義と問題があるのか、またどのような展望がありうるのかを、文献読解や議論をつうじて批判的に探究してゆく。 |
生命倫理特論 | 生命倫理が成立した歴史的な経緯や文化的・社会的な背景と、またそれゆえの生命倫理の特質とをふまえて、「生命について倫理的に問い、考えるとはどういうことか」について、批判的な再検討を試みる。 |
死生学概説 | 死生学の歩みを過去から現在へとたどりながら、死生学は「死」と「生」をどのように語ってきたのか、そこにはどのような意義があり、またどのような問題があるのかを、文献読解や議論をつうじて検討する。 |
バイオ・サナトロジー特殊研究 | バイオ・サナトロジーとは「死を生と不可分の関係でとらえ、現代の「生と死」をめぐる問題をとらえようとする、新しい死生学を目指す研究分野」とされる。生命倫理の現状もふまえながら、その可能性と課題について考えてゆく。 |
人間科学基礎演習Ⅰ(修士論文指導) | 生命倫理もしくは死生学に関連する各自のテーマを選定し、論文の構想を練る。そしてそのために、(1)学術文献その他の資料の精読・検討とそれにもとづく討論、(2)各自が興味関心をもつ問題の調査・報告とそれにもとづく討論、などを行う。 |
人間科学基礎演習Ⅱ(修士論文指導) | 生命倫理もしくは死生学に関連する各自のテーマを決定し、論文の構想を具体化する。そしてそのために、(1)学術文献その他の資料の精読・検討とそれにもとづく討論、(2)各自のテーマ・論文の構想についての報告とそれにもとづく討論、などを行う。 |
履歴・職歴等
早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程単位取得満期退学
早稲田大学教育学部助手、東京医科歯科大学教養部准教授を経て現職
著書・論文
著書
『生命倫理の源流――戦後日本社会とバイオエシックス』(共著)岩波書店、2014年。
『生命倫理のフロンティア』(共著)丸善出版、2013年。
『生命倫理の基本概念』(共著)丸善出版、2012年。
『いのちの選択―― 今、考えたい脳死・臓器移植』(共編著)岩波書店、2010年。
『メタバイオエシックス の構築へ――生命倫理を問いなおす』(共著)NTT出版、2010年。
論文
「生命倫理の歴史的現在――コント=スポンヴィル「四つの秩序」論の視座から」『三田学会雑誌』第102巻1号、2009年4月。
「「命のリレー」の果てに――日本へのバイオエシックス導入「前史」から」『思想』 第977号、2005年9月。
「バイオエシックス導入に至る言説の諸類型――日本におけるその「前史」からの問いかけ」『応用倫理学研究』第2号、2005年6月。
受験生へのメッセージ
「生きて在る」とはどういうことなのか、そのことを現代において考えるとき何が見えてくるのか、という問いをあらためて探究してみたい方の受験を歓迎します。