研究科案内

西 洋子 教授 (博士(学術))

  • 専任教員氏名:西 洋子
  • 分野:幼児教育・発達臨床学
  • 専門分野:表現の教育、身体表現論、ノンバーバルコミュニケーション論

    〇主な所属学会:日本保育学会、共創学会、舞踊学会

研究テーマ

・子どもの表現とコミュニケーション
・感性や創造性の発達と表現支援
・共創表現のファシリテーション

指導可能なテーマ

・乳幼児期の表現とコミュニケーション
・プロジェクト型の幼児教育・保育の内容と方法
・保育現場での子ども、保育者、保護者のコミュニケーション
・インクルーシブアートと社会実践

論文作成指導方法

研究テーマの設定、文献の精読、保育実践や社会実践および調査等の実証的な研究方法の検討、結果のまとめ方と考察等を、個々の研究の流れにそって個別に指導します。

担当科目

幼児教育基礎演習Ⅰ(修士論文指導),
幼児教育演習Ⅰ (修士論文指導)
幼児教育学、保育学の基礎的文献を学びながら、自身の問題意識を明確にして研究テーマを絞り込む。あわせて、研究テーマに即した研究手法を学び、予備的検討を重ねながら、実際の研究に着手する。
幼児教育基礎演習Ⅱ(修士論文指導),
幼児教育演習Ⅱ(修士論文指導)
自身の研究テーマに関連する論文を読み、その内容を批判的に検討して、研究の視点を明確にする。収集したデータの分析・検討を試みて考察を行い、現場での実証研究を進めながら、課題を洗い出し、新たな解決策を検討する。
表現教育特論 幼稚園教育要領に示される「感じたことや考えたことを自分なりに表現することを通して、豊かな感性や表現する力を養い、創造性を豊かにする」表現教育のあり方について、理論的側面からの理解を築くために、想像と創造、感性、美的経験等をキーワードに教育学、保育学、心理学等の文献を通して基礎的知識を習得し、討議を行う。また、表現の教育の視点から国際的に評価の高い幼児教育や社会実践を取り上げ、理念と教育内容や方法の実際を学び、主体的で対話的な表現の教育の在り方について幅広い知見を培う。
表現文化フィールド研究 表現文化について、想像と創造、感性、美的経験等をキーワードに教育学、保育学、心理学等の文献を通して基礎的理論を学ぶ.あわせて,園でのさまざまな表現の実践や、コミュニティでの子どもをコアとするアートプロジェクト・表現ワークショップ等の実践の見学・参加や映像を通して学ぶ機会を設け、具体的な内容や方法、成果や課題について報告・討議し、表現文化に関する理解を築く。
保育内容特論(オムニバス) 保育内容の5領域のうち、特に「健康」「表現」を取りあげ、近年の科学的知見や優れた実践を紹介しながら、各領域の特徴および領域をつなぐ保育内容全般に対する理解を深める。また、子どもの各時期の発達特性とその連続性について概説し、発達の視点から保育内容をクリティカルに検討・討議する。加えて、コミュニティと共創する保育について国内外の先駆的事例を学び、子どもをコアとする新しい公共性と保育の内容について考える。


●教員業績はこちらをご覧ください

履歴・職歴等

お茶の水女子大学文教育学部卒、同大学大学院人文科学研究科修了後、神戸大学大学院総合人間科学研究科博士後期課程修了(学術博士)。1988年より保育現場での表現実践を開始。
子どもの感性や創造性を育む表現あそびおよび、肢体不自由児・者、精神科入院患者、発達障害児・者等、さまざまな障害のある人々を含むインクルーシブなアートの社会実践を継続。
NPO法人みんなのダンスフィールド理事長(2015-)。国立民族学博物館先端人類学研究部 特別客員教員(教授)(2008-2012)。早稲田大学理工学術院客員教授(2008-2018)。共創学会副会長(2017-)。

著書・論文

・西洋子:共創するファシリテーションのダイナミックレイヤ,共創学第1巻第1号,pp.13-22, 2019.
・西洋子ほか編著:『からだからはじまる保育のアート-創造と表現がつながってあふれる-』,
市村出版,2018.
・西洋子,長谷部(国府田)はるか:保育者養成教育の身体表現の授業での体験的理解と気づき,保育者養成教育研究第1号,pp.73-83,2017.
・西洋子,三輪敬之:被災地での共創表現-このフィールドは何を問いかけているのか-,アートミーツケア第7巻,pp.1-18,2016.
・西洋子,三輪敬之,河合俊雄,小坂和子:場への信頼-共にあること・創ること-,箱庭療法学研究第28巻第 1号,pp.90-130,2015.
・西洋子:表現における子どもと影-創造への対話-,東洋英和女学院大学死生学年報2014『語られる生と死』,pp.157-186,2014.
・西洋子,永浦典子,三輪敬之:「かもめの一日」をめぐって-被災地域での共創的な身体表現の試み-,東洋英和女学院大学死生学年報2013『生と死とその後』,pp.215-230,2013.
・西洋子:表現するからだ-共創の原初,未来への跳躍-,計測と制御第51巻第 11 号,pp.1072-1075,2012.
・西洋子:出会いと共振-「共振する身体」から「共振する生命」へ-,東洋英和女学院大学死生学年報2012『生者と死者の交流』,pp.87-108,2012.
・西洋子:創造的な身体表現活動とリハビリテーション,リハビリテーションネットワーク研究10(1),pp.1-8,2012.
・西洋子:特集:『運動遊びと発達』共創する子どもたち-共に創り合うからだ-、発達176,ミネルヴァ書房、2023.
・西洋子:身体的接触を伴う幼児の運動あそびにおける動きのアノテーションの試み-対人相互行為の動態に着目して-、東洋英和女学院大学保育子ども研究2022年度、pp.27-37、2023.
・西洋子:表現する身体と非同期の世界、共創学第3巻第1号、pp.28-38、2021.

受験生へのメッセージ

保育やさまざまなアートの社会実践の現場で、子どもの表現やコミュニケーション、人の感性や創造性について自ら問題を発見し、学術的な視点から追求することで、実践をさらに深めたいと考えている方をのぞみます。経験豊かな保育者、表現による療育や療法の実践者、社会でのアートの実践者が集い、お互いに刺激し合いながら研究を進めています。

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