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学部・修士5年一貫教育制度はじめての修了生 (国際協力研究科)

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東洋英和女学院大学大学院の国際協力研究科には「学部・修士5年一貫教育制度」(通称「5年一貫制度」)があります。東洋英和女学院大学就学中の4年次に六本木キャンパスの大学院の授業を10単位まで履修し、その10単位を大学院修了に必要な30単位の一部に数えることで、大学院通学が1年で修士号を取得できる制度です。ここでは、5年一貫制度で2023年4月に入学して2024年3月に修士号を取得した飯田桃香さんと高橋双葉さんに感想を聞きました。飯田さんの修士論文のタイトルは「なぜ在留外国人の子どもの教育は不可視のままなのか」、高橋さんの修士論文タイトルは「大量消費時代の牛肉産業の特徴」です。

Q:5年一貫制度に興味を持ったきっかけと入学までの準備について聞かせてください。

 (高橋さん) 

この制度をゼミの先生から伝えられ、チャレンジしてみようと思いました。費用の面でも時間の面でもとても効率良く大学院の授業を受けられ、内定をもらっていた就職先の給与でも修士号の加算があることもモチベーションでした。2022年の4月からの4年次に大学院の授業を受け始め、年齢層も幅広い社会人の院生に囲まれ、刺激的な毎日でした。

 (飯田さん)

当初は海外で仕事をしたいと思っていたので、修士号を取得することでキャリアの選択肢が広がると思いました。修士号が一年で取得でき、英和生は入学金が免除されるし、学費も他大学の大学院に比べとてもお得でしたので、入学を決めました。

 

Q:修士課程の授業の内容はいかがでしたか?

 (飯田さん)

最初は学部の授業と全く違うことに驚きました。大学院は少人数制なので、自分の意見を発言する機会が多く、社会人の院生との意見を聞いて納得することが多かったです。教授はファシリテーターとしての役割だったのですが、授業内容と院生の発言を繋げて議論を進める教授のスキルに追いつくのに必死で、ものすごく頭を使いました。

 (高橋さん)

院生が主体で授業が進められていくので、授業ごとに自身の意見を必ず準備して行くことが必要で、課題の事前の理解はもちろんノートの取り方にもスキルが必要でした。少人数で必ず自分の発言を求められるので、それはプレッシャーでしたが、自分のやる気と自信に繋がりました。

 

Q:現在の修了要件は修士論文またはコア・レビュー(研究成果)という選択肢があるのですが、当時は修士論文で修了することになっていました。修士論文の執筆の感想は?

 (高橋さん)

大変だった、としか言葉が見つかりません。正直辛いプロセスでした。自分の言葉で概念をまとめて事実に照らし合わせていくのですが、終盤まで全体が見えなかった辛さです。一つひとつ穴を埋める作業だったので、どこに穴があるか、どう埋めればいいかなどは自分一人で考えても困惑するので、指導教授のガイダンスと、院生との議論の助けがなかったらもっと苦しい執筆プロセスになったと思います。

 (飯田さん)

執筆が進む過程で、当初想像していた行き先がどんどん変わっていったと感じます。私の場合は論文のテーマが仕事(中学校社会科の非常勤教員)と直結していたので、1年間そのテーマについて考えていました。執筆して調べたデータがゆっくりつながっていく感覚を味わえたと思います。苦しい時に助けになったのは、指導教員のガイダンスと、院生と互いを励まし合ったことでした。

 

Q:修士号を取得した感想は?

 (高橋さん)

達成感しかないです。ほんの一年間の修士課程だったのであっという間に時間が過ぎました。私はアルバイトをしながらの履修だったのですが、社会人をやりながら論文が書けたかを考えると、正直きついと思います。

 (飯田さん)

すごく嬉しい、の一言です。書いている時にこのままでは終わらないと思う瞬間が何度もあり、いつも時間に追われていました。

 

Q:修士課程の学びは将来どのように役立つと思いますか?

 (飯田さん)

仕事に直結する内容の論文だったので、教師としての自分のキャリアに役に立つと思います。例えば、執筆中に議論した共生社会のモデルを現実に当てはめて説明することで頭の整理ができるようになりました。根本的な課題ですが、在留外国人の子どもたちを含め日本の将来の世代にどのような教育が必要か考えられる自分に育ったと思います。

 (高橋さん)

修士号を取得したことで昇給にもつながり自分のキャリアの展望が見えました。そしてリサーチ能力が身についたのは大きいと思います。この大学院で学んだ、原典を探し読み込む大切さ、それを理解して自分の言葉で説明する大切さはこの大学院で味わえる醍醐味だったと思います。

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