2024年度3月期学位授与式式辞
2025年3月15日(土)、2024年度3月期大学院学位授与式を行いました。
人間科学研究科修士課程25名、国際協力研究科修士課程4名に授与いたしました。
星野学長の式辞です。
東洋英和女学院大学大学院学位授与式式辞
本日、ここに修士の学位を授与されて、東洋英和女学院大学大学院を修了される皆さん、誠におめでとうございます。教職員を代表し、祝意を申し上げます。また、皆さんの大学院生活を物心両面で支えてくださったご家族、ご親族、そして関係者の皆様、心よりお慶び申し上げます。こうして、学院の院長先生と宗教部長、大学院の教職員が列席し、また学院同窓会と大学院同窓会の代表をお招きして、厳かに本日の学位授与式を挙行できますことは、私にとりましてもこの上ない慶びであります。これまで指導して下さった教員の皆様にも、深く感謝申し上げます。
本日めでたく修了される人間科学研究科の 25人、国際協力研究科の 4人の皆さんは、それぞれが異なったバックグラウンドを持ちながら、強い意思と志をもって本学の門をくぐり、勉学と研究に励み、所定の課程を修了し、また修士論文あるいは研究成果の最終審査をパスして、本日ここに、修士号学位授与の日を迎えられました。大学院での研鑽の日々は、いろいろなことがあり、決して平坦ではなかったことと思います。仕事と学問の両立や、研究に費やす時間を作ることにおいて並々ならぬご苦労があったことは想像に難くありません。それでも、それを乗り越えて、充実した日々の中で達成感を味わったことも沢山あったのではないかと思います。そのご努力と獲得された成果に対し、深い敬意を表するものです。
大学院修了は、大学の学部卒業の次に来る人生における大きな節目であるわけです。皆さんは今日、高等教育の最終段階に位置する大学院修了の学位記を手にされました。皆さんがこれから書く履歴書には、東洋英和女学院大学大学院修士課程を修了し、人間科学、あるいは社会科学の修士の学位を取得したという新しい項目が加わります。皆さんは私共東洋英和の建学の精神である「敬神奉仕」の理念の下、自ら立てた問いに誠実に向き合い、事実や真実に即して解を導き出す努力を積み重ねて成果を挙げられました。本大学院で高度な専門職としての訓練を受け、研鑽を重ね、それが評価されて学位を授与されたわけです。慶びも一入と思いますが、今後も、本学で培ったその学問の手法によって、現実社会の諸々の課題に向き合い、真理に忠実であり続けていただきたいと強く希望します。
さて、先ほど、修了生の皆さんには、学位記とともに黄色い水仙(黄水仙)の花をお贈りしました。黄水仙の花の贈呈は東洋英和女学院の古くからの慣行で、東洋英和のゆかりの地であるカナダでは、黄水仙は、主であるキリストの受難と復活を祈念する時期に一面に咲き誇ることから、レント・リリー(Lent lily受難のゆり)とも呼ばれます。皆さんは、黄水仙の花の一輪に込められた「敬神奉仕」の建学の精神をどうか忘れないで頂きたいと思います。それこそが、増々複雑化し混沌とする世界に向かって船を漕ぎ出さんとする修了生への力強い支えになってくれるに違いありません。
この間、東洋英和女学院大学と修了生の皆さんを支え続けて下さいました関係者の皆様に対しまして、重ねて、厚く御礼申し上げます。修了生の皆さん、どうぞ、東洋英和女学院大学大学院の修了生であるということに胸を張り、大学院での研鑽を通じて得た自身の成長や仲間の広がりを今一度しっかり確認し、自信を持って東洋英和女学院大学大学院で育てた大きな両の翼で空高く飛び立って下さい。
最後に、この地球上では残念ながら今この瞬間も悲惨な戦闘や戦争が続いています。国内外で分断も深まり、気候変動は今後さらに増加していくでしょう。皆さんは、この修了式の良き日を迎えられたことを当たり前のこととせず、平和と安心・安全への感謝と希求の気持ち、そして一個人は小さく、限りがあるけれども、何かできることがあるのではないか、ということをいつも心の片隅に置いて、自らの道を歩んでいただければと願っています。
修了生の皆さんお一人おひとりが、これからの長い生涯、健康と幸運に恵まれ、常に新しいことに挑戦する、悔いのない人生を歩まれることを祈り、私の式辞といたします。
2025年 3月 15日
東洋英和女学院大学大学院学 長星野三喜夫