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SDGsセミナー第8回が開催されました

1123日、第8SDGsセミナー「教育と災害からの復興」が開催され、フィリピン国タクロバン市教育局長のセルマ・キタリグ氏、同市教育局述べると・エランディオ上級プログラム・オフィサーからお話をいただきました。

 タクロバン市は、フィリピン国東ビサヤ地域の首都でレイテ島に位置しています。2013118日に襲来したスーパー台風ハイアン(フィリピン名、ヨランダ)で甚大な被害を受けました。教育セクターも同様に大きな被害を受け、タクロバン市内98の小中学校の67校(68%)が全壊し、31校(32%)が半壊しています。このような中、タクロバン市教育局では学校、地域等と協力を図りながら、「1人の子どもも取り残さない」をスローガンに掲げ、教育復興に取り組んでいます。学校は台風から2ヶ月後の201416日に再開され、心のケアや被災した教室の修繕等が取り組まれました。

 加えて、タクロバン市では被災した沿岸部の住民の北部移転計画が進んでおり、14,000世帯が対象となりました。このことから、移転家庭の子どもたちの学校欠席率の増加や中退が懸念されることとなりました。そのため、タクロバン市では移転先の北部に新たに12校の学校を開設することになりました。201710月現在、6校が新規開校され、9,285世帯の3759名の児童生徒が学んでいます。

 災害直後の対応だけでなく、復興の過程の中で新たに生まれたニーズに、市が中心となって新たに対応し、子どもたちの学習機会の確保に努めているタクロバン市の事例が紹介されました。

 2015年に採択された「仙台防災枠組み」では、教育施設の安全の確保により教育機会の中断を防ぐことが指標の一つに盛り込まれています。また、いかなる状況にあっても子どもたちが学習する機会が与えられることは、SDGsの目標にも掲げられています。災害による学校被害を防ぐためには、災害に強い学校づくり、防災教育等の事前予防を進めていくことが重要です。

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