SDGsセミナー第7回が開催されました
第7回SDGsセミナー「サプライチェーンと人権、労働」
連続講座「SDGsと国際協力-国際協力の現在と未来」第7回目は「グローバル・サプライチェーンと人権、労働」について、日本ILO協議会・企画委員の熊谷謙一氏からお話をいただきました。現在は、生産・消費を通じて、あらゆるものが世界のどこかとチェーンのように繋がっており、まずどのように繋がっているのか、生産拠点であるバングラデシュ、カンボジアの具体例からご解説いただきました。
生産を担う人々の低賃金、労働の権利侵害も起こりやすく、ユーザーとなる日本の人々もより理解を深めることが重要であること、よってサプライチェーンの光の部分と負の部分を見極める必要があることが説明されました。
負の部分をどのように解決していくのか。グローバル社会には統治機構がないので、強制力を持つ法律や規制ができない。そこで、克服する方法として、関係者(ステイクホルダー)が互いにルール(ソフトロー)を作り、そのルールを基に行動を規範化することが必要で、多くの国よりも経済規模の大きいグローバル企業が展開している現在、ソフトローをよりどころとした企業の社会的責任(CSR)の推進が重要であると述べられました。
さらにユーザー・消費者として生産過程に問題のない「認証」されたものを積極的に購入するなども重要で各人が取り組めば、サプライチェーンの流れもよくなり、SDGs目標8「ディーセントワーク」、目標12「持続可能な生産と消費」、目標16「平和で公正な社会」の達成に資するとの示唆的なお話でした。