2026年度後期入学式式辞

2026年9月12日(土)に前期入学式を行いました。

 藁谷学長の式辞です。


 東洋英和女学院大学大学院、新入生の皆さん、おめでとうございます。ご関係の皆様におかれまして、お喜びは格別のことと存じます。おめでとうございます。

 皆さんは、もちろん、大学院で何を学ぶか、強い目的意識をお持ちのことと存じます。是非ともその思いを大切にされて下さい。その思いが大学院での学びに基本的な方向づけを与えてくれます。

 かく申し上げる私においては、学生紛争の最中、学部での学びの不十分さが大学院に進んだ大きな理由でした。何をしたいかという問題意識の観点から言うならば決して褒められたものではありません。ただ、入学式の際の研究科長のお話は今も心に残っております。社会政策の権威であったその先生は、「学んで学んで学ぶ、教室と図書館以外に君たちのいるべき空間は無い」と話されました。その厳しさに圧倒された、それが当時の私でした。

 新入生には、現場の専門家を目指す方が多いでしょうが、研究にウエートを置きたい院生もいるかもしれません。

 いずれにしても、その厳しさは変わりません。また、社会の複雑さと不確実性が増す中、現場に根差した知見と見識は不可欠です。それぞれの活動分野の現場における経験・体験は、ますますその重要性を増しています。

 かつてとは異なる外部環境の中で、図書館に閉じ籠りきりになる訳にはいきません。併せて、積極的に現場に向かって欲しいと思います。

 いずれのスタイルにも共通することもあります。その一つは、1年次は広く学び、2年次には深く学ぶ、と言うことでしょうか。

 自分の関心事に関係する広い領域、その領域全体への見通し・見識を得ること、そのことによって自身が設定した目標の位置・意味を確定することができます。自身の問題意識が明確になり、その上に深さを持った成果が得られることと思います。

 不確かさ、不安定さが増す社会の中で私たちの変わらぬ座標軸を構築することもこの時期に求められることです。

 私たち東洋英和の精神は敬神奉仕の精神です。隣人を愛し、奉仕を大切にするこの精神は、厳しい歴史の時間の流れの中で私たちが大切にしてきた強靭なる精神です。不確実で不安な状況と向かい合わざるをえない私たちにとって、普遍的な軸の構築の支えとなる精神です。

 皆さん、将来に向けての強い熱意をもって新入生の一歩を踏み出して下さい。強い熱意は持続性を求められます。「静かに行く者は遠くまで行く、遠くまで行く者は静かに行く」私の好きな経済学者がしばしば用いた言葉です。本大学院で、皆さんが思う存分の研鑽を積まれることを心から期待いたします。


   

                               2026年9月12日

                          東洋英和女学院大学大学院

                              学長 藁谷 友紀


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