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外国政府観光局ディレクター

東洋英和女学院卒業部⾨

掲載日:

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職種

中学部 中高部 企画・開発系 高等部

半藤 将代

東洋英和女学院中学部に入学し、1986年高等部卒。早稲田大学第一文学部卒業後、トラベルライターやイベント・コーディネーターとして約20カ国を訪問。1999年カナダ観光局入局、2015年同局日本地区代表に就任。著書に『観光の力 世界から愛される国、カナダ流のおもてなし』『NO JOURNEY, NO LIFE 旅好き7人の“私流こだわり旅”』

英和からカナダへ 「寛容さと包容力」が育んだ観光が伝えるもの

挑戦したい!ありのままの姿を後押しした英和での原体験

     高等部2年の北海道の修学旅行にて、親友と(本人:右)

私の東洋英和での思い出は、英語劇部での活動が半分以上を占めています。高等2年生の時、楓祭(文化祭)で仲間たちと『ウエスト・サイド・ストーリー』に挑戦。それまではシェイクスピアなどの正統派の英語劇が中心でしたから、この経験は私たちに大きな自信と達成感を与えてくれました。英和には、伝統を大切にする変わらない価値観とともに、新しいことへの寛容さや包容力がありました。それがチャレンジし成長したい気持ちを支えてくれたのだと思います。


英和は世間では「お嬢様学校」と見られることもありますが、実際は自由でフラット。自分の良いところを友人たちが見つけ、認めてくれる環境でした。私は中学部から入学しましたが、違いや個性に興味をもってくれる友人たちに囲まれ、「自分の良さを伸ばそう」という意欲につながりました。また、「女の子だから」「男性にどう思われるか」などの視線を気にせず、自分たちで何でもやりました。その姿勢は、後のキャリア形成にも大きく影響しています。当時は大企業への就職が成功の道とされていた時代。でも、私はそう考えず「自分が後悔しない道」を選ぶことができました。それも英和で「自分の個性を生かして挑戦すれば道は開ける」という体験を重ねることができたおかげです。

旅と仕事、そしてカナダとの出会い

高等部を卒業後、旅が好きだった私は大学時代にガイドブック編集のアルバイトを始め、卒業後も編集の仕事を続けたいと考えました。卒業旅行で訪れたヨーロッパでの異文化体験に魅了され、4月1日の入社日に間に合わず5月に帰国。寛大にも入社を許され、その後も編集やライターとして十数カ国を訪れました。カナダとの最初の接点は、カナダで企画制作された大規模な恐竜博を大阪で開催するプロジェクトに携わったこと。カナダ人スタッフがみなオープンで個性的だったのが印象的でした。


グローバルな仕事に興味を持った私は、米国に本社のあるIT企業に転職し、やがて日本市場向けマーケティングの責任者を任されるようになりました。
あるとき、カナダ大使館にある観光局がPRマネージャーを募集していることを知りました。もう一度、旅に関わる仕事がしたいとの思いから応募したところ採用され、1999年にカナダ観光局に入局。2015年に日本地区代表に就任し、日本でのカナダ観光の促進に力を尽くしています。

カナダの歴史が育む観光のあり方

     カナダ観光局アジア地区のメンバーと(本人:左から3人目)

カナダ観光局の目標は、カナダの人々の経済的な豊かさや幸福度の向上と、世界中からカナダを訪れる旅行者の人生を豊かにすることです。環境、文化、社会、経済のサステナビリティーを重視し、観光の力でその土地をより良い状態にして未来に引き継いでいこうという考え方に基づいています。同時に、すべての人種、性的マイノリティ、女性や若者、先住民や新移民など、誰一人取り残さないインクルーシブな観光を目指しています。アクセシビリティにも力を入れ、障がい者が観光業で就労することはもちろん、すべての人が体験を楽しめるよう観光地の整備を進めています。


近年、カナダで大きな注目を集めているのが「先住民観光」です。かつて先住民の子どもたちは同化政策の一環として親元を離され、寄宿学校でヨーロッパ式教育を受けさせられました。カナダは過去の過ちを認め、国を挙げて先住民との和解と共生に取り組んでいます。先住民観光もその一環です。先住民主導の観光によって経済的な自立を促すだけでなく、環境、文化、社会面での再生を支援し、伝統文化の継承やコミュニティの活性化を図り、尊厳や権利回復の後押しにもつながっています。


このような、サステナビリティーや多様性を重視した地域主導の観光のあり方は、私自身のテーマでもあります。

英和が結びつけたカナダ、アン、そして私

振り返ってみると、私の人生は英和からカナダへとつながっていました。カナダ観光局での仕事がきっかけで、東洋英和とも再びつながり、2008年の『赤毛のアン』出版100周年キャンペーンに携わる機会もいただきました。
出版社や劇団、アニメ配給会社など、様々な立場のパートナーの誰もが『赤毛のアン』を愛読し、驚くほどの情熱を持ってキャンペーンの成功へと打ち込む姿に触れたことで、仕事への向き合い方が変わりました。私はカナダについてもっと深く知りたいと思いました。カナダについて学び、何度も訪れるうちに、カナダがどんどん好きになり、自分の仕事を心から愛するようになりました。
英和で同級生だった村岡恵理さん(作家、祖母は『赤毛のアン』の翻訳者の村岡花子)との再会もありました。アンの仕事に関わったことで、多くの対話が生まれ、『赤毛のアン』は私にとって一生の作品となりました。モンゴメリの生涯は必ずしも幸せなことばかりではなかったかもしれません。しかし、モンゴメリがプリンス・エドワード島への愛を込めて書き続けた作品が、日本とカナダを結ぶ架け橋となり、約120年経った現在も私たちを力づけ、共感や友情を育んでいることに深い感動をおぼえます。

幸せの原点に還る旅は続く

英和で育まれた「ありのままでよい」という寛容さと包容力は、カナダで私が感じる開放感にも通じています。大自然の中で自分が生かされていると強く感じ、「今を生きよう」という力が湧いてくるのです。
英和は、カナダの文化が身近にあり、神を信じ委ねる心や隣人への愛が自然と息づく場でした。一人ひとりに与えられた賜物を大切に育むことで、それぞれがより良く自分らしく生きることができます。だから、他者の賜物も尊重してお互いに認め合うことができるのです。カナダと結ばれたこの縁を幸せに思うほどに、私は英和という原点に立ち返ります。遠いカナダへの旅を経てここに戻り、この場所を初めて理解する今、神様への感謝の念に堪えません。

※記事中の所属・役職等は各記事掲載当時のものです。

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