東洋英和女学院卒業部⾨
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職種
中学部 中高部 企画・開発系 販売・サービス系 高等部小巻 亜矢
東洋英和女学院中学部に入学し、1978年高等部卒。成城大学法学部卒業後、株式会社サンリオに入社。結婚退職して渡米。40代で同社に復職し、化粧品関係の業務に携わった後、2008年に女性支援のためのNPO法人、2010年には子宮頸がん予防啓発プロジェクトを設立。2011年より東京大学大学院で学び、教育学修士。2014年、サンリオエンターテイメント顧問に就任し、2019年より同代表取締役社長。サンリオピューロランド館長として、経営の立て直しに尽力した。
すべては人と人のつながりから始まる
多様性の時代のテーマパークの楽しみ方
ひと昔前までは、サンリオピューロランドのようなテーマパークは、小さな子どものいる家族連れや若いカップルが楽しむところでした。それが、2016年頃からでしょうか、大人だけで来館されるお客様やおひとりで楽しむお客様も増えています。「大人なのに恥ずかしい」「ひとりで行く場所ではない」という縛りのようなものがなくなり、人に合わせなくてもいい時代になったのだと思います。
“かわいい”という言葉の意味も変わり、大人でも男性でもシニアでも“かわいい”ものを楽しめるようになりました。
おひとりで来館なさるお客様が、お気に入りのキャラクターのぬいぐるみにご自身とお揃いの手作りコスチュームを着せて、お食事を楽しんだり、フォトスポットで自撮りしたりしている光景もめずらしくありません。
当然、受け入れる側の私たちも発想を柔軟にして、さまざまなニーズに対応できるような工夫が求められます。会社のホームページにある通り、サンリオエンターテイメントには、出演者やアルバイトさんを除くと400名ほどの社員がいるのですが、その63%が女性です。しかも、育児休業取得率は100%、そして育児休業取得後の復職率も100%なんです。
出産した社員には戻ってきてほしいし、女性が働きやすい職場は男性も働きやすいはずですから。時短勤務や育休、産休、介護休暇、病気休暇など、多様な働き方を認めていかないと、時代に遅れてしまいますからね!
生徒会やYWCAの活動からの学びがビジネスで生きる
一緒に活動していた生徒会のメンバーと。2列目左から3番目が私です
もちろん、制度が整っても、待遇の問題などはまだこれから改善や工夫が必要だと思っています。何か問題に直面したとき、私が心がけているのは「横のつながりを大切にする」こと。これは、英和の中高生時代に培った重要なキーワードです。
英和時代、私は生徒会活動やYWCAの活動に積極的に参加していました。同学年の友だちよりも、生徒会のつながりで学年を超えた先輩・後輩、他校の生徒会の人たちや教会関係の人たちと親しくしていたように思います。そして、困難にぶつかったときには、常に英和のやり方だけでなく、「ほかの女子校はどうやっているのだろう」と考えて、他校の生徒会と交流を持ち、意見交換するように心がけてきました。その経験から、私は横のつながりを大切にすることの意義を学んだのです。
ですから、今も社内で何か問題があると感じたとき、社員たちの意見を聴くことはもちろんですが、英和時代のように外とのつながりが生きてきます。「他の企業ではどうしているのだろう」とすぐにアンテナを働かせて、同業他社はもちろん異業種の経営者の方々とお会いしてコミュニケーションをはかります。お互いの取り組みからヒントを得て、自社の問題に対処しつつ、皆が仲よく交流することが目標です。
当たり前ですが、女子校ではすべての役割を女子が担わなければなりませんから、リーダーシップが育まれやすかったと思いますね。よかったのは、「男子にどう見られるだろう」「女子が目立たないほうがいいかな」とか、変に気を使ったり格好をつけたりする必要がなかったことです。
学生時代にしてほしいのは自分のアンテナを磨くこと
英和って、その意味では刺激的な環境でした。同学年や先輩・後輩の中には、芸大を目指すような才能豊かな人たちが何人もいましたから。「自分と同じ歳なのに、こんなことを極める人がいるのか!」と思っていました。いろいろな分野に長けている人がいて面白かったし、皆それぞれに悩みながら青春を生きていました。
超絶まじめで純粋だった私は、特に習いごともしていなかったことから、ボランティアという道を突き進んだのです。その根本には「敬神奉仕」の教えがあり、YWCAという受け皿がありました。
自分という器を活かす道を求めて、私は毎週土曜日に武蔵境の「のぞみの家」という児童養護施設にお手伝いに通っていました。最初は6人いたのですが、だんだん人数が減っていき、最後は私ともうひとりになってしまって。1学年下の彼女は後年牧師になり、数年前まで「のぞみの家」の理事を務めていました。
そして、そのボランティアの経験が私の人生を切り拓いたことになるし、現在の仕事にもつながっていると思っています。毎朝の礼拝で聴いたお話が、ときに自分の心に刺さり、記憶の引き出しに蓄えられています。
英和は大学受験のための予備校のような学校ではなくて、人格形成に多大な影響を与えてくれました。中高生という多感な時期に、英和という場所で学べたことに、本当に感謝しています。
52歳のとき、東京大学大学院教育学研究科に学士入学しました。社会人になってから学び直すのはすごく楽しかったし、学ぶことすべてが入ってきますよね。
今後も学校に行く気満々だし、若いときにできなかった留学もしてみたいと思っています。私は“かわいい”の研究をしているんですが、その歴史を紐解いていくと、どうしても日本史を知りたくなるんです。日本人の美意識って独特ですから、縄文時代までさかのぼって勉強したい。仕事をしながら、通信課程で芸術系大学の日本史の授業を履修できないかなと思ったりしています。
英和の在校生の後輩たちには、「今は勉強がつまらなくても大丈夫!」って言いたいくらいです(笑)。もちろん、勉強したい人はそれでいいと思いますが、何よりも大切なのは、若いうちに「自分のアンテナを磨くこと」だと思いますから。(2022年11月、談)
※記事中の所属・役職等は各記事掲載当時のものです。
