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児童書作家、脚本家

東洋英和女学院卒業部⾨

掲載日:

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大学
人文学部 人間科学科

職種

⼤学全て(短⼤等含む) クリエイティブ・芸術系 中学部 中高部 卒業部⾨ 大学 高等部

押川 理佐

中学部から東洋英和女学院で学び、1989年高等部卒業。東洋英和女学院大学の1期生として入学し、心理学を学ぶ。1993年人文学部人間科学科卒業。俳優養成所、出版社、保育園などに勤務した後、子ども向けの物語や脚本を執筆するようになり、現在に至る。主な脚本担当作品にTV人形劇『新・ざわざわ森のがんこちゃん』シリーズがある。

英和時代、いつも認めてもらえたから今がある

学生時代はひたすら演劇に没頭

英和では、中1から高2まで演劇部ひと筋。高2では部長も務めました。舞台で演じるだけでなく、舞台衣裳も担当していたので、夏休みも毎日のように登校し、せっせとミシンをかけて衣裳を縫いました。さらに、小さい頃から創作が好きだったこともあり、脚本も書いていたんです。

そんな中高生でしたから勉強には熱が入らず、いざ卒業後の進路を決めるとなって、困りました。先生から新しく創設される東洋英和女学院大学で心理学を学べることを聞き、高3の夏休みから必死で勉強して内部推薦で進学しました。大学では霜山徳爾先生のゼミに所属して、臨床心理学を専攻。私たちは第1期生だったので、何もないところからのスタートです。中高の演劇部時代の友人と「演劇同好会」を立ち上げ、その流れで学友会の会長も務めるなど、充実した4年間を過ごしました。

大学卒業後は、今の仕事に就くまでにいろいろなことを経験しました。小劇団に所属したり、日本舞踊や長唄の稽古をしながら、大手の出版社でアシスタントのような仕事をしたり。そして30歳を前に、英和時代の友人と文芸同人誌『泳げ!』を主宰し、現在も継続しています。

都内の保育園で働いていたとき、延長保育の時間まで残っている2歳児を喜ばせてあげたいと思って、子ども向けのお話を書くことを思いついたんです。それが、子どもの本の世界への扉でした。そして、30代半ばで月刊絵本『ねこまるせんせいとたなばた』(世界文化社)を出版し、絵本作家としてデビューしました。「ねこまるせんせい」シリーズはのちに単行本化され、ありがたいことに、今も子どもたちに親しまれています。

母のつくった大切なキャラクターを継承

その後、私にとって大きな出会いと別れがありました。児童文学作家であり、NHKの「がんこちゃん」シリーズの原作者である母が、肺腺がんにかかっていることがわかったのです。

1996年にスタートした『ざわざわ森のがんこちゃん』は、多くの子どもたちに人気のあるテレビ人形劇。私も大好きなキャラクターで、歌詞を一緒に考えたり、新キャラのアイデアを出したりして育ててきました。病に倒れた母がその脚本制作の仕事を続けられなくなり、あるとき入院中の病室で、代わりにやってみるかと打診されました。思いもよらないことで非常に戸惑いましたが、「今の理佐にならできる。私もできる限りバックアップするから」という言葉に、日頃頼みごとなど一切しない母の切羽詰まった思いを感じ、母の役に立ちたいという一心でNHKの面接を受けたのです。自分には経験もスキルも足りないことは十分承知していましたが、熱意を認めてもらって採用が決定! それからは、ほかの仕事をセーブして、「がんこちゃん」の仕事に取り組みました。
母の体調を見ながら、互いにアイデアを出し合ってプロットづくりをする作業は、驚くほど息が合い、濃密な授業のようで、とても楽しいものでした。残念ながら、母は引継ぎの1年半後に他界しましたが、20本ほどの作品を一緒につくることができて、私にとって何よりも代えがたい思い出と経験になっています。

「がんこちゃん」のシリーズは、小学校低学年の道徳の授業の副教材として利用されているため、学習指導要領に沿ってテーマが決まっています。だからこそ、私はお説教っぽくしたくないと考えました。その世界で生きているというリアリティを追求したくて、たとえば幼稚園の先生に取材をするなど、英和時代の同級生の人脈を大いに活用させてもらいました。

最近は、本はもちろん、マンガでも長いものを読むのは苦手という子どもが増えています。親世代にも読書習慣のない方が増えていて、非常にもったいないと感じます。本は新しい世界や知らない世界へいざなう、もっとも身近な扉です。子どもたちには、読書をもっと身近なものとして、その面白さを味わってもらえたらいいなと思っています。

女子校は必要。自己肯定感を育てる環境が私の自信に

2012年、福島県の幼稚園にて読み聞かせボランティア

近年、女子校は人気がないそうですが、私は女子校や女子大は必要だと思っています。大学時代には「女性学」の授業もあり、フェミニズムやジェンダーバイアスについても学びましたが、社会で働くようになると、まだまだ「男らしさ」「女らしさ」という偏見や差別に縛られる場面が多いことに気づかされます。
社会に出る前に、そのようなバイアスにとらわれずに個人としての存在意義を確認するのは、とても大切なことではないでしょうか。女子だけの環境は、それをバックアップする場として意義があると思うのです。もっとも、日本が真にジェンダー平等な国になったら、女子校は必要なくなるかもしれません。また、今の子どもたちは男女関係なくリーダーシップをとっているようで、頼もしさを感じます。この子たちがゆくゆく理不尽な圧にゆがめられることのないよう見守るのは、我々大人の役割だなとつくづく感じます。
今、思い返しても、英和には多様性を重んじる空気がありました。皆と一緒に同じことをクリアできなくても、何かひとつ好きなこと、得意なことがあればいいのです。先生たちに夢を否定されることもありませんでした。だから、卒業してからも、働いていてダメ出しを食らって打ちのめされても、へこたれずに自分らしく生きることができたのは、英和時代の経験があったからこそだと思っています。(2023年3月、談)

※記事中の所属・役職等は各記事掲載当時のものです。

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