東洋英和女学院卒業部⾨
掲載日:
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- 人文学部 人間科学科
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職種
⼤学全て(短⼤等含む) 中学部 中高部 医療系 大学 大学院 大学院(人間科学研究科) 専⾨系 高等部高瀬 寛子
パナソニック健康保険組合健康管理センターで東日本の事業所のメンタルヘルスケアの支援業務を担当。東洋英和女学院高等部卒業後、東洋英和女学院大学人文学部人間科学科入学。卒業後、同大学院に進学。修士課程修了後、精神科クリニックや、東洋英和女学院女学院中高部のスクールカウンセラーなどを経て現職。
中高時代の悩みごと相談から臨床心理士の道へ
なぜか友だちからの悩みごと相談が
中学部2年の頃からでしょうか、同級生から悩みを相談されることが多かったんです。友達のことや親のこと――多感な時期だし 自分も同じようなことで悩む場合もあります。 一生懸命話してくれる同級生に、気の利いた答えを返せるわけでもなく、「難しいね。どうにもならないよね」くらいしか言えなくて、歯がゆい思いをしていました。
その頃に、臨床心理士という資格があることを知りました。また、英和は心理面のサポートが進んでいて、当時から中高部にスクールカウンセラーが勤務していたので、その方にお話を聞いたり、カウンセリングルームを見せていただいたりする中で、心理士になりたいという思いが膨らんでいきました。
当時は「教育心理学」や「社会心理学」などを学べる大学の選択肢は多かったのですが、医療の現場で患者さんを相手にする「臨床心理学」を学べるところは少なくて。中高が女子校だったので、共学に行きたいと思って大学受験をしたのですが、失敗してしまいました。
厳しくも充実した学びが得られた 大学時代
開学したばかりの英和の大学にも、臨床心理学を学べる学科があることは知っていたので、受験をし直して英和に戻ってくることになりました。当時は、まだ大学の規模も現在よりは大きくなくて、先生との距離も近く、とても居心地がよかったです。
学部の4年間では、精神科クリニックへの実習も含めて、希望通りの勉強ができました。卒業後、資格取得のために、そのまま英和の大学院の修士課程に進みました。別の大学に行きたいと思ったこともありましたが、今考えるともし英和でなく他の大学に行っていたら、おそらく心理士にはならず、一般企業に就職していたのではないかと思います。そのくらい、学生時代の学びは深く、充実していました。
学部時代には、先生や先輩から「臨床の仕事は非常に厳しいけれど、それでもあなたはやりますか」と、ずっと問われ続けてきました。その厳しさの中身とは、心理士は人間のよい面だけでなく暗い面をも見る職業であり、虐待など世間で起きる事件のようなことも直視せざるを得ない、苦労の多い仕事であること。それと同時に、当時は就職先が少なく、常勤職として働くことが難しい職業でもあったので、それでもやるのかどうかよく考えなさい、という意味です。当時の私にとって、心理の仕事を目指す上での厳しさという心構えを先輩方にいただけたことは、とてもありがたい体験でした。
大学と大学院、そして学生時代に実習に通ったクリニックや病院の精神科でも、多くの先生や先輩方から厳しくも温かいご指導をいただきました。
精神科クリニックなどを経て、企業のメンタルヘルスに関わる
いちばんの気分転換は、仕事にまったく関係のない本を読むこと。今、気になっているのは将棋の藤井聡太王将の師匠である杉本昌隆八段の著書。ちなみに、将棋は全然わかりません。
大学院修了後、常勤で働くまでにいくつものステップを経験しました。まず、大学院の心理相談室で3年間アルバイトとして働かせてもらった後、修士課程の時から精神科デイケアで重度の精神疾患の患者さんのリハビリに携わってきた経験を生かすべく、精神科クリニックに約7年間勤務。並行して2年間ほど、英和の中高部でもスクールカウンセラーとして週に2日、働かせていただきました。
そして、パナソニック健康保険組合に転職し、10年余りがたちました。企業で働く心理士は、相談を受けて社員のカウンセリングを行うようなイメージですが、現在の私の仕事はうつ病や適応障害などの精神疾患で休職している社員が復職する際、スムーズに職場適応できるようにサポートすることです。
社内では従業員数も多いため、例えば交渉ごとの前面に立つ営業職の人が、精神的な負担からうつになってしまうといった例が少なくありません。その人の、うつからの回復度やパーソナリティを客観的に評価する心理検査を実施し、 本人だけでなく、復職支援をするチームメンバーである職場の上司や、産業医にもフィードバックすることが主な仕事です。復職する社員が焦らずに業務を行えるように、職場になじめるようにと、常に心を配っています。
時には、職場でメンタルヘルスを良好に保つための研修の講師をすることもあります。資料を作って、対面やオンラインで社員に向けて話をするのです。また、現場で困っている若い看護職の人から相談を受けた時などは、医療機関で重度の精神疾患の患者さんに対応した経験から学んだことを思い出しながら、対応の仕方を一緒に考え、アドバイスします。その後、良い報告をもらえた時が、とてもやりがいを感じる瞬間ですね。
※記事中の所属・役職等は各記事掲載当時のものです。
