人間社会学部 総合心理学科
野田 潤准教授このゼミでは、家族社会学の基本的なことがらを学びつつ、「家族」や「性別」という身近でプライベートな存在だと思われがちな存在が、いかに社会的な文脈と深くつながっているかを理解していきます。そして学んだことをもとに、皆さんにとっての身近な家族問題を考えていきます。具体的には、例えば「恋愛」「結婚」「子育て」「ケア」「性別役割分業」「ジェンダー・ステレオタイプ」「介護」「働き方」「多様性」などといったテーマについて、学習と研究を進めていきます。
3年次には文献を読み、家族社会学やジェンダー論の基礎的な考え方や概念、現代日本の家族や性別に関する統計結果、近年注目されている様々なテーマについて知識をつけてもらいます。また、それらのテーマに対する自分の考えや独自に調べたことをまとめ、プレゼンテーションとディスカッションをしてもらいます。4年次には自らが選んだ研究テーマに関する調査を自ら行い、情報の消費者にとどまらない、生産者になることをめざしてもらいます。これらのプロセスを通じて、現代日本における家族やジェンダーの現状と、それらを取り巻く社会的環境を理解し、これからの社会に求められる課題と対策について考察を深めてもらいます。
『日本のヒットソングの歌詞からみるジェンダーステレオタイプ――《1980 年代》と《現代》を比較して』
『少年漫画におけるジェンダー表象――女性キャラクターの描かれ方と暗黙の性役割期待』
『報道番組に出演しているアナウンサーから見るジェンダー規範――海外のアナウンサーとの比較を踏まえて』
『アイドルファンがアイドルに抱く思い込みと期待――無意識な当事者意識と感情労働』
『インタビュー調査から考える現代の若者の恋愛観――推し活動と SNS が与える影響』
『誰が介護をするべきか――女子大生の意識ときょうだい間トラブルの事例から考える』
『同性カップルが子どもをもつ方法――血縁主義と異性愛主義の間で』
『通塾に対する親の期待と負担――超子ども中心主義による親の自己責任の拡大』
『『応用家事教科書』からみる大正期の主婦の位置づけ』
『現代日本における児童養護施設児の高等学校等卒業後の進路選択』
『母子世帯における貧困――朝日新聞『声』からみる当事者の経済的困難と今後の課題』