【11/11(月)】『読書人カレッジ』を開催しました!
11月11日に、学習サポートセンターと図書館共催で『読書人カレッジ』を開催しました。
読書人カレッジとは、「本を読むこと」「文章を書くこと」「表現をすること」について深い経験のある講師の方をお招きし、その楽しさと大切さを学ぶ企画です。
今回は、韓国文学翻訳家のすんみさんを講師にお招きし、韓国の社会情勢が韓国文学界にどのように影響を与えてきたのか、そして人気作家チョン・セランさんの作品を通して、私たちがどのように生き抜くことができるのかのヒントをいただきました。
韓国文学に興味はあっても、実はまだあまり読んでいないという参加者に対して、いま読んで欲しい韓国文学作品についてのお話や、すんみさんが翻訳をする際に、「難しいけれど面白い」と感じる点、フェミニズムの視線でいま注目している日本人作家、韓国文学の翻訳家になった経緯等、幅広い分野に渡って、丁寧にお話頂き、非常に有意義な時間を共有することができました。
なかでも、韓国では一度発表した小説においても、時代の変化に合わせて表現を見直した改訂版を出すことがあるというお話に驚いた上に、改訂した点の多さを目の当たりにして、二度驚きました!
参加者アンケートにて寄せられたコメント詳細は、以下をご覧ください。
■参加者の感想(一部紹介)
文学が時代背景、及びそのときの社会情勢によって変わるという話が特に印象的でした。これは、古典的な作品がリメイクされるたびに、新しい要素が追加されたり別の解釈がなされたりすることに通じていて、作品を読むことで、その時々に生きる人々の生活様式や考え方を考えることはとても面白いと感じました。
フェミニズムの観点から問題になる部分を全て削除して、本の改訂版を出したというお話が印象に残りました。女性男性に対する固定概念は良くないこともあるけれど、全て消すほどなのかと少し思いました。
韓国文学に触れる機会がなかったのでお話が聞けて興味深かったですし、楽しかったです。社会情勢に文学作品が引っ張られるのは往々にしてあることだとは理解していますが、潔癖になるのもなんだか寂しい気がして、どうなんだろう...と考えさせられます。
いろいろな家族のあり方や、考え方があることは良いことと思う一方、いざ自分が少数派だとわかると不安に感じることもあるので、フェミニズムの視点を持った人が声を上げることは非常に大変であるということを理解した。少数派の意見を持ったとしても自分に自信を持てるように成長していきたい。
作家が過去の作品を改訂することに驚きました。また、社会情勢繋がりで、韓国では法改正が行われることがある点も初めて知りました。日本にも「いつでも修正可能・改訂可能」の柔軟さがあれば、もう少し生きやすくなるかも知れません。チョン・セランさんの短編集タイトル「屋上で会いましょう」の意味がわかると、私たちに対するエールのように感じられました。ぜひ読んでみたいです。
貴重なお話をお聞かせいただき、すんみさんに心からの感謝を申し上げます。