【高大連携】全6回高大連携教育プログラムを実施しましたwith横須賀学院高等学校
横須賀学院高等学校とは、2016年9月に高大連携に関する協定を締結し、高校教育・大学教育の質の向上と活性化を図るべく、様々なプロジェクトを実施しています。
4月から8月にかけて、本学の全学部・学科による全6回の教育連携プログラムを実施しました。
学科ごとに特色のある授業を用意し、前半は横須賀学院高等学校にて講義形式、後半は本学にて演習・実践・体験形式でプログラムを組みました。座学の講義だけではなく、演習等の双方向性のある授業を展開することで高校生の皆さんにアウトプットする機会を通じて学びの実践体験をしていただきました。
〈人間科学科〉
人間科学の学びについて、各領域の概説、講義や実習・体験を通して、人のこころや行動、社会や文化に関する幅広い学びへの理解を深めることを目的としたプログラムを実施しました。
前半の講義
心理学、社会学、教育学などのトピックをとり上げながら、人間科学の多面的な理解を目指しました。
・人間科学の学びと心理学。心理学で何が分かる何が出来るか
・いまジェンダーについて考える
・身体を生きる、世界を生きる
・いのちに寄り添う心の支援
後半のキャンパス実習(プレカレッジプログラム)
箱庭体験から学ぶ心理学
心理療法に用いる『箱庭』について説明し、実際にグループでの実習を通じてその楽しさと心の不思議さについて体験的に学びました。
(参加生徒の感想)箱庭療法というものがあることをはじめて知り、はじめて体験した。自分が創ってみたいと思った空間を他の人に見られるのは少し恥ずかしかった。でも、自分の考えや感じ方を否定されずに見守ってもらえることは心地よく感じた。
キャンパス内フィールドワークから学ぶ教育学
キャンパス内フィールドワークを通じて、校舎や教室を教育学の視点から捉えることにより大学と高校の学びの違いを知り、これからの自分にとってよい学習環境の見つけ方を学びました。
(参加生徒の感想)教育学では人に教科を教えるだけではなく、教育のあり方や学び方などを一から考える教育学があるとはじめて知った。固定概念をひっくり返したり、疑問をなげかけることで疑問にも思わなかったことを見つけて考えるきっかけとなった。
スクイグル・ゲームの体験-遊びを通したこころのコミュニケーション
心理面接では言葉だけでなく、言葉以外の『遊び』などの交流を取り入れることで、気持ちを発散したり、思いを伝え合ったりすることを容易にする方法があります。絵を使った遊びを通して、心理援助の技法を体験しました。
(参加生徒の感想)①他の参加者は色が鮮やかで想像力が豊かでこんな見方もあるのかという気付きがたくさんあった。②相手の描いた線を自分が何に見えるのか、どういう風に書けば相手に伝わるのかを自分で考えて塗ることが楽しかった。
対人コミュニケーションと他者理解
空気を読むことやコミュ力は、実際に相手との関係を良くするために役立つのか、日常でも役に立ちそうな実践を交えながら考えました。
(参加生徒の感想)①自分の意見や感情は『自分だけのもの』であって、相手も同じ気持ちかどうかは相手にしかわからないと改めて考えさせられた。②他者理解を深めるためにも幅広く勉強に励みたいと改めて思えた。
保育・幼児教育分野への多面的な理解を促進し、講義や体験を通じて保育者にとって必要なことを学ぶプログラムを実施しました。
前半の講義
保育・幼児教育領域の学びの紹介、自分の考えや感じたことを言葉にしました。
・幼児教育・保育学領域での学び全般の紹介講義
・保育者による子どもの理解とは
・幼児とともに森林を守る/プレカレッジプログラムガイダンス
後半のキャンパス実習(プレカレッジプログラム)
子どもと造形表現/雨あがりの森の遊歩道での野外ワーク
幼児造形は、教科としての『図画工作』や『美術』と異なり、子どもたちが豊かに『感じる』ことが土台となり、豊かに『表現する』ことにつながることが期待されます。ワークを通じて、幼児造形の学び体験し、素材や自然を五感で感じることができました。
(参加生徒の感想)①絵を描くのは苦手だけれど、子どもの気持ちになって手を動かすことで、自然とすてきな絵が出来上がるのが楽しかった。②森では、雨が降った後だったので、いろいろなものを発見したり気づいたりできた。
保育子ども学科講座の振り返りとまとめ
『保育とソーシャルワーク』をテーマしたロールプレイングを通して、子どもをどのような視点から捉えたらよいだろうか、「強み」を活かした子どもとのかかわりについて考えました。
(参加生徒の感想)幼児を注意してしまうと、幼児のやる気がなくなるという他国の工夫された教育方法、自然と関わりながら学ぶ方法など、たくさんのことを知ることができた。これらの新しく得た知識を将来使っていきたい。
〈国際社会学科・国際コミュニケーション学科合同〉
国際協力、国際関係、国際経済、多文化社会、異文化理解といった分野に関心を持つ高校生に対して、SDGsを社会科学の観点から構造的に理解し、世界で活躍できるグローバル・シティズンを目指す手がかりを得られるようなプログラムを実施しました。
前半の講義
各講義ではSDGsと社会科学を切り口に、自らの生活と国際社会とのつながりに対する理解を深めました。
・SDGsと国際協力−地球、人間社会、経済のつながり
・国際連合とSDGs−地球規模課題の解決に向けて
・教育とSDGs−外国にルーツをもつ子どもたちと日本
・英語で学ぶ SDGs
後半のキャンパス実習(プレカレッジプログラム)
一杯のコーヒーから考える SDGsをテーマに身近なことから社会課題を考えました。
私たち一人ひとりがどうすればサステナブルな社会づくりに関わることができるようになるのか。人や社会、環境に配慮され良心にもとづく消費行動『エシカル消費』について考え、英和コーヒープロジェクトのメンバーとのワークショップを通して、大学生と高校生との協働を通じて具体的な解決策を考えました。
授業を通じて、コーヒーをめぐる歴史やコーヒーの栽培、生産者について理解を深め、コーヒーの生産と消費との結びつきをより深く理解できるようになりました。英和生とのコーヒー・ドリップ講座などでの交流の機会を通じて、リラックスした形で横須賀学院高等学校の皆さんにプレカレッジに参加してもらえたように感じました。
(参加生徒の感想)①コーヒーを全く飲んだことがなかったし味も分からなかったが、自分で実際に淹れてみて美味しかった。地球環境、社会、経済(SDGs)からコーヒーを考えることで、コーヒーを身近に感じることができるようになった。②消費者と生産者の立場から国際的な問題を考えることができて良かった。
横須賀学院高等学校の皆さんにとって、少しでも実のある時間となっていれば幸いです。様々な学びの領域を知り、考え、言葉に出してアウトプットすることでより理解が深まり、実際に体験することでさらに学びの意欲が向上し、生徒の皆さんの今後によい影響を与えられたのではないでしょうか。
東洋英和女学院大学は人間科学科、保育子ども学科、国際社会学科、国際コミュニケーション学科と幅広い領域の学びを提供しています。引き続き本学は高大連携を強化し、高校・大学双方の教育の質向上に寄与してまいります。