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大学概要

学長室から

2022年度 大学9月卒業式式辞

 卒業生の皆さん、ご卒業、おめでとうございます。本学で必要な単位を修得され、本日卒業される皆さんのご努力に対し、心より敬意を表し、教職員を代表してお祝い致します。また、皆さんの大学生活を力強く支えてくださったご家族、関係者の皆様にも心から祝意を申し上げたいと思います。
 新型ウイルス感染症のためにイベント開催の自粛が続いているなかで、本日、この卒業式を、マスクを着用し感染防止を施した中ではありますが、晴れて、卒業生とその保護者の皆様をお迎えし一緒にお祝いできますことを、学長として大変嬉しく思います。卒業生の皆さんにとっては、将来、今日という日を振り返る時に、あの時の卒業式はコロナ禍の中、皆でマスクを付けてやったんだよね、というような、記憶に残るものになろうかと思います。
 さて、皆さん、東洋英和女学院大学での学生生活は充実したものでしたか。一生懸命勉学に励みましたか。ゼミ活動や部活、そして地域活動は如何だったでしょうか。もしかしたら、それ以外の好きなことに忙しくて、勉強や課外活動は少しさぼってしまった、という人もいるかも知れません。この二年半は新型ウイルスコロナ禍で何かと制限が多く、窮屈なことを強いられ大変だったと思いますが、東洋英和女学院大学で研鑽を積み、知識とスキルを身に付け、教員・職員とたくさんの良い経験や体験を共有し、また、かけがえのない友達を作り、友情を育みながら、思い出をいっぱい作ったのではないかと思います。
 卒業は、日本語では、「学業を終える」、「勉学が終わる」ということを意味します。一方、英語で「卒業」は二通りの言い方があります。一つは普通の言い方で、皆さんも知っているgraduationです。graduationは、gradeを終える、課程を修了する、学位を取得するという意味です。そしてもう一つは、こちらの方がより一般的に使われている言葉ですが、commencementと言います。commencement、つまり「始まり」、commence「始める」という意味です。こちらは、卒業は終わりではなく、次のステップに進む「始まり」「スタート」だということを表わす言葉です。 卒業式の今日、恐らく皆さんはgraduation、「終わり」の方を意識されているので、commencement「始まり」は実感できないかも知れませんが、卒業は人生の中で「次の新しいステップに向かう始まり」ということを、この卒業式の今日、思いを新たにして欲しいと思います。新しい人生へのステップに向けて、東洋英和女学院大学での勉強や活動、経験、体験、友達との親交等が皆さんの中で大きな糧となり、バックボーンとなると期待しています。
 東洋英和女学院大学は、皆さんより先に学び卒業していった16,000人を超える先輩達が、日本国内はもとより、世界各地で活躍しています。皆さんは、今日からその卒業生の仲間入りをします。東洋英和女学院大学で学んだこと、経験したことを十分活かして、そして本学の卒業生であることに誇りを持ち、胸を張って、実りある豊かな人生を切り拓いていって欲しいと思います。
 皆さんは今日この日から、東洋英和女学院大学の学生でなくなります。最初のうちは、これでもう気分さっぱり、勉強しなくて済む、朝早く起きて電車やバスに揺られて大学に行かなくていい、お小遣いを貯めるためのアルバイトをしなくてもいい、というほっとした気持ちになると思います。しかし大学を卒業して入る現実の社会は学生であった時よりもずっとずっと厳しい筈です。仕事に就くと、もちろん、嬉しいこと、楽しいこともいっぱいありますが、それ以上に、辛いこと、くやしいことにたくさん遭遇するだろうと思います。そういう時は、東洋英和女学院大学で、苦手な科目でも一生懸命勉強をしたこと、教員の指導を受けゼミの仲間と一緒に苦労したこと、アルバイトで睡眠不足の中、眠い目をこすって授業に出たこと、などを思い出して頂きたいと思います。そして、たまにはラインやメール等で、世話になったゼミの先生、親身に指導して頂いた教職員に元気な様子、元気にやっているよ、ということを報告してください。それは、卒業生を送り出した私たち教職員にとってはとても嬉しいことです。
 卒業生の皆さんは、これからの人生の中で、いろいろな「選択」を迫られると思います。東洋英和女学院大学に入ったのも皆さんが選択したことです。卒業後に皆さんが進む就職も進学も、皆さんがそれぞれ良し、と考えて行った選択です。まさに人生は選択の連続です。卒業生の皆さんはもう分かっていると思います。人生は他人から与えられたり押しつけられたりするものではなく、自分の選択と行動で作り上げるものだということ。どうか、東洋英和女学院大学で学び身に付けた知識や経験、体験、考え方を活かして、常に良かれと思う賢明な選択をし、行動してください。卒業生の皆さんにはそれができるはずです。ただ、どちらに進むべきか、選択に迷うことも多く出てくるでしょう。そんな時は一人で悩むことなく、回りの人からアドバイスを得てください。最後の最後で、迷いに迷った時は、敢えて難しい方の選択にチャレンジしたら良いと思います。そして、一旦自分が選択したら、その選択に後悔することなく、必ず結果を出すのだという気概で行動してください。仮にその選択が失敗に終わったとしても、失敗から学んで、立ち上がって、またチャレンジすれば良いのです。立ち直れないような失敗はそうそうあるものではありません。それに、皆さんは本学においてレジリエンス、しなやかな回復力、失敗しても立ち直る力、を学びました。失敗は人生においていわば「名誉勲章」のようなものです。英語で言えば、Failure is like a badge of honor.です。どうか、賢明な選択を続けて、時には失敗しても、そこから立ち直って、ご自身で選んだ、皆さんそれぞれの人生を進んでいって頂きたいと思います。
 本学では、9月卒業生に対して、スイセンに代わりバラの花を卒業証書・学位記とともにお贈りしています。花の贈呈は東洋英和女学院の慣行で、その起源は戦前まで遡ります。皆さんは花の一輪一輪に込められた「敬神奉仕」の建学の精神とスクールモットーをどうか忘れないで頂きたいと思います。それこそが、増々複雑化する世界に向かって船を漕ぎ出さんとする卒業生の力強い支えと追い風になってくれるに違いありません。
 今日のこの卒業は皆さんにとっては東洋英和女学院大学での最後の日ですが、同時に、次のステップへの「始まり」「スタート」です。強い意志と高い志を持ち続けて人生を歩む皆さんの、今後のご健闘と、そして皆さんの未来に栄光があることを祈り、私の卒業式の式辞と致します。卒業生の皆さん、本日はご卒業、おめでとうございます。皆さんの未来に輝かしい実りと栄光があらんことを。Wish you the best of luck in your future.


 2022年9月24日

東洋英和女学院大学
学長 星野三喜夫