共生連携プロジェクト主催ワークショップ
みんなが学べる地域の学校




ワークショップ報告

 本プロジェクトでは、連携授業以外の新しい試みとして、7月20日(金・祝)にワークショップ「みんなが学べる地域の学校」を企画・開催した。

 このワークショップでは、車いすにのる木津石生君(小学1年生)とそのご家族をリーダーに迎え、石生君の小学校入学にかかわる様々な問題を事例的に扱いながら、「多様な人々が地域社会で共に生きること」の価値を探っていった。具体的には、校舎を中心とした地域社会のユニバーサルデザイン化の問題や、入学に際しての家族と行政等のやりとりと入学後の子どもたちの様子、またインクルージョンという教育理念と教育内容という3つの分科会を設定し、参加者は提示された事例から問題点を導き出して討議を行ったり、実際に車いすにのることや子どもたちと一緒に動く直接的な体験から理解を築く方向で活動を展開した。

 当日は本学の試験期間であり猛暑の中ではあったが、約40名の学内外からの参加者は、いずれも意欲的に取組んでいた。"共生"という大きな価値の実現に向かう時、現実には多くの問題に直面することになるのだが、それらをしっかりと認識し粘り強く考えていくことの意味や、解決に向けた知識や技法を持っていることの大切さを実感する好機となった。この企画にご尽力くださった方々に、あらためて御礼を申し上げたい。
(文責:西 洋子)

  参考までに本ワークショップ開催のお知らせを以下に掲載しておきます。

 木津石生(きづ いっせい)君は、先天性骨形成不全症(OI)という疾患のため、車いすにのっています。あなたは、どんな小学校に通いましたか? そこではどんな思い出がありますか?
 木津石生(きづ いっせい)君は、先天性骨形成不全症(OI)という疾患のため、車いすにのっています。 とっても元気な男の子です。
 地域の幼稚園に通っていた石生君は、この春、友だちと一緒に地域の小学校に入学しました。でも、1年生になるまでには、いろいろな出来事がありました。
 石生君の小学校への夢、ご両親が考えたこと、学校の先生が考えたこと、友だちの様子、通学路や校舎の問題・・・
 このワークショップでは、石生君・お父さん・お母さんをワークショップのリーダーに迎え、石生君の小学校入学にまつわる出来事をたどりながら 

 @ 地域社会のバリアフリー化、その財源はどうするのか?
 A 学校や友だちは障害をどんな風に受け入れていくのか? そこにはどんな問題があるのか?
 B 障害のある子もない子も一緒に楽しく活動するには、どんな考え方が大切なのか? 

の3つの分科会にわかれて、それぞれの視点から、「みんなが学べる地域の学校」について考えていきたいと思います。
 ひとつの事例を学ぶことを通して、みなさんのなかに、多くの人々が"共に生きる"、柔らかな地域社会のあり方を考える視野が拓けることを願っています。
T.ワークショップ日時 

7月20日(金) 午後1時〜3時30分

U.タイム・テーブル
1:00 全体会T ワークショップの主旨の説明とリーダー紹介 「ジャンプ」(障害のある子、ない子が一緒に表現するグループ)のダンス作品の鑑賞 (体育館)
1:40 移動 分科会会場への移動
3:00 分科会
@〜B
@地域社会のバリアフリー化、その財源はどうするのか? (4203教室) A学校や友だちは障害をどんな風に受け入れていくのか? そこにはどんな問題があるのか? (8103教室) B障害のある子もない子も一緒に楽しく活動するには、 どんな考え方が大切なのか? (体育室及び体育館)
3:30 全体会U 各分科会の報告まとめ (体育室)


V.各分科会のテーマとリーダーの紹介 

このワークショップでは、参加者は分科会@〜Bにわかれ、それぞれの視点からの講義を聞いたり、ディスカッションを行ったり、アクティビティに参加したりします。

分科会@  地域社会のバリアフリー化、その財源はどうするのか?
木津正彰さん(建築設計の立場から)

息子が障害をもって生まれ、いつしか彼と一緒に歩くとき、車いすの彼と楽しく歩きたい、そう思ったのです。そして彼が快適に過ごせる町や建物を作りたいとも思いました。
野口晴子先生(公共経済学の立場から)

大学で、車いすの学生が快適に学ぶためには、彼らの自由な行動を妨げる様々な建物の障害を取り除くことが必要です。そのための財源 をどうやって確保したら良いのでしょうか?
分科会A  学校や友だちは障害をどんな風に受け入れていくのか?
そこにはどんな問題があるのか?
木津雅代さん(学校に介助者として出かける母親の立場から)

障害を持つ人を目の前にして、あなたは何を語りかけますか?子供達は、好奇心いっぱいで、目をキラキラさせながら、たくさんの質問を石生にそして私に投げかけ、同じだ!全然違う、と多くの発見をしています。みんな違うから、「同じ」をたくさん見つけてほしいなあ。そう思いながら質問に答えています。
三尾稔先生(人類学の立場から)

様々な個性を持つ人々が互いの違いを認めつつ共に生きることの喜びと難しさを色々なフィールドで考えています。違いをプラスにできる社会のありようを皆で探ってみませんか。
分科会B  障害のある子もない子も一緒に楽しく活動するにはどんな考え方が大切なのか?
木津石生君とジャンプの仲間
(障害のある子、ない子が一緒に活動するグループ)
西洋子先生(インクルージョンの立場から)

ここ4年ほど、障害のある子、ない子が一緒に"からだで表現"する活動を進めています。様々な個性の中でこそ、豊かな個性が育つ。子どもたちといるとそう思います。



このワークショップにご協力くださる先生方

池田明史先生・石川卓先生・下坂英先生・長谷川かおり先生・与那覇恵子先生


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