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保育だより 9月号

 
 
   
 

2学期のはじまりに

暑さのきびしい夏でした。母は夏が来るたびに9月生まれの私に「あなたの生まれる年の夏が今までで一番暑かったわ」と笑っていましたが、今年は「あの夏よりももっと暑い・・」と繰り返していました。みなさま、どのように過ごされていたでしょうか。子どもたちに、外での遊びをのんびりとさせることや、町や公園を楽しんで歩くことなどを、なかなかさせられなかったことでしょう。

 残暑はもう少し続きますが、やがて季節は変わります。子どもたちは光と風の中、たっぷりと遊び、じっくりと生活する秋の日々を過ごすでしょう。一人ひとりが、一学期と夏の間に経験したことをベースにして、どのように動き出し、何を語り、何に夢中になっていき、誰と出会っていくか・・・とても楽しみです。

 さて夏のはじまりの頃、「心がゆたかになるってどういうこと?」・・という清水真砂子氏(児童文学者・翻訳家)の講演を聞きました。心の底が静かに揺さぶられるすばらしい時でした。清水氏は、「私たちは、『心がゆたかになる』ということばに、穏やか、明るい、やさしい、友だちとなかよくできる、主張しないで妥協できる、前向きな気持ちをもつ・・・というようなことを想定し、子どもにもそれを求めているのではないでしょうか。でも、本当にそれだけなのでしょうか。『心がゆたかになる』とは、そんな心地よく、心が平らかになることだけを指すのでしょうか。その『ゆたかさ』の中に怒りや哀しみ、嘆きや悲嘆、絶望や後悔、不安や恐れは入っているのでしょうか。また、日常のなんでもないことや太陽の下での体験に、感じたり感動したりすることがあるでしょうか。それらがあることが、人としてあたりまえであり、人間の生とはそういうものです。それがあってこそ『ゆたかさ』でしょう」と、問いかけられました。(一部は清水氏の著書『大人になるっておもしろい?』岩波書店より) いかがでしょうか・・・。私は、自分自身を振り返らせてもらい、そしてこのことを、子どもと生きているみなさまと分かち合いたいと思わされました。

 それらのことをずっと考えて過ごした夏のおわりの頃、テレビで流れていた養老孟司氏(解剖学者)のことばがすっと耳に飛び込んできました。「ものごとをデータ―やインターネット等の情報で判断することの多くなった私たちですが、大切なのは、感覚や体に訊くことです」というようなメッセージでした。

 その感覚や体を、遊びの中・生活の中・人との関わりの中・そして嬉しいことや悲しいことを通りぬける中で、まさに今子どもたちは、磨き育んでいます。そして「心のゆたかさ」を蓄えていっています。だから、感じて考えて動き出し遊びきる子どもの時が大切であり、休み安らぐ時間が必要なのです。そうしながら、この世界は「おもしろい」という思いをもって大人になっていって欲しいと願う私です。

  秋風を感じるころ、庭では「うんどうかい」も始まるでしょう。遊びのひとつとして、また子どもたちの集団としての活動として、体と共に心も知恵も動かして楽しみます。保育者の願いや考えも合わさりながら展開していきます。子どもにとって一瞬一瞬が練習ではなく本気の本番であることがすてきなことです。「きょうのうんどうかい」がどのように始まり、いつまで続く今年なのかを思い巡らしています。

 年長組の子どもたちとは、いつでもどこでも私たちと共に居てくださり、お守りくださるイエスさまのみことばを覚えて2学期を歩み始めました。
 「安心しなさい。わたしだ。恐れることはない」 マルコによる福音書6章50節

 一人ひとりの育ちを、そしてご家庭を、見えないところで支えてくださるイエスさまに信頼して、2学期も歩みます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
                                         大漉 知子