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東洋英和女学院大学付属 かえで幼稚園
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保育だより 7月号

 
 
   
 

−オリーブの部屋の向こうに見える子どもの光景より−

オリーブの部屋(おりーぶのへや)*の窓から見える庭の風景は、朝も昼も夕も一枚の絵のようです。 味わい深く、様々なメッセージを私に伝えてきます。

 この季節、雨の日のしっとりとした風景もとても美しいのですが、私はなんと言っても、子どものいる光景が好きです。見渡す中で、あの子もこの子も確かにそこに存在し、今日の日を生きていると感じさせられます。

 その小さなひとこまです。それはまぶしいほどの初夏の日ざしと青空のきれいな雨あがりの朝のことでした。年少組のAちゃんが保育室から庭へと出てきました。ゆっくりとした足どりです。Aちゃんの視線は地面に向いています。そして桜の木の下で何かを拾いました。たぶん小石か砂にまじった貝がらのかけらでしょう。次の瞬間Aちゃんの目は上に向きもっともっと上に向きひっくりかえりそうに上を向き、木を見上げました。風にそよぐ生い茂った葉とやわらな木もれ日を見ているかのようでした。Aちゃんは、うっとりとし口をぽかんとあけ、しばらく(1分ほど)同じ姿勢で見ていました。それから・・・ふーっと息をし、たったった―とまっすぐに砂場へと歩いていきました。

 私はAちゃんの感じていたことを感じてみたくて、すぐに外に出て行きました。そしてAちゃんが居たところに立ち、上を見上げました。なるほど、ひとことで言えば「美しい!」でした。『Aちゃんはこれを見ていたんだ・・』と思っていたその時です。三輪車にまたがったBちゃん(年少組)がツーッと近付いて来ました。そして、ちょっと大人っぽく「今日はいい天気ですね」と言い、ほほえみました。私はなんだか嬉しくて「そうね、きれいな青い空ね。こんな良い朝をくださった神様にありがとうって言いたいなぁ」と言いました。するとBちゃんは、「神さま?・・・そうだねぇ」と言い、もう一度ほほえみ、三輪車を走らせて行きました。

 もちろん、子どもの光景には穏やかさや美しさだけではなく、険しさや激しさもあります。時にはうっとり見てなどいられずに、その場に飛んでいかなければならないことも起こります。それも、子どもの生きている場です。葛藤や衝突の場の中にも保育の意味と保育者の役割があります。それらをひっくるめて、子どものいる光景は味わい深いものです。

 最近読み直した津守真先生の「保育者の地平」(ミネルヴァ書房)のことばに、あらためて心を動かされています。

 「子どもの生きる場が光り輝くように
  子どものはじめた小さなことに目をとめて それにこたえる保育者となるように」

 「自分のまわりに、自由と静けさと親しみの空間をつくりたい」
  (これは大漉が、子どもたちとの交わりにも、保護者の方々との交わりにも願っていることです。)

 愛され守られて動き出し、様々な体験と人との関わりをもつ子どもの時が、どんなに大切かを思います。そこを通っていくことが、未来に希望をもち、自分と周りの人の命と心を大事にする生き方につながっていくと信じます。そばに居る大人のまなざしやことばのもたらすものの大きさを思います。
 子どもの生きる場が光り輝くように・・・
 光となり、ともにいてくださるイエスさまが子どもたちとご家庭と保育者を守ってくださっています。

 *オリーブの部屋:子どもの保育の場のひとつとして、保護者の交わりの場として、保健室と して、そして保育後に保育者が語らう職員室として多目的に使われている部屋。2面にひろがる窓からは、園庭と園舎を見渡すことができます。

 

    「あなたの御言葉は、わたしの道の光
         わたしの歩みを照らす灯(ともしび)。 」

                                           (詩編119編105節)
                             

                                                        大漉 知子