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東洋英和女学院大学付属 かえで幼稚園
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保育だより 6月号

 
 
   
 

関わり合って育つ −トントンの連鎖−

 保育室の片隅から泣き声が聞こえてきます。Aちゃんがじゅうたんに座って泣いていました。「どうしたの?」と近寄って声をかけるとAちゃんは私のお腹に顔を埋めて号泣します。そばにはレール汽車をしているBちゃんがいます。Bちゃんはほっぺたを赤くしてAちゃんの方を見まいとしています。Bちゃんはいかにも『Aちゃんの涙とは無関係です』とアピールしています。私はAちゃんに「Aちゃんもレール汽車を使いたかったの?」と聞きます。けれどAちゃんは泣くばかりです。そこで私はBちゃんに聞こえるように「Aちゃん、どうして泣いているのかしらね」とつぶやくと「Aちゃんが踏んじゃったからさーBがダメーって言ったの」と答えます。どうやらBちゃんが並べていたレールをAちゃんがうっかり踏んでしまったようです。そしてダメと強く言われて泣いていたのです。私はBちゃんに「踏まれて嫌だったのね」と言い、Aちゃんには「びっくりしたのね」とことばをかけます。しかし、なかなかAちゃんの涙は止まりません。私はAちゃんの背中をトントンとして慰めます。するとなんとBちゃんが「Bもトントンしてあげようか」とレール汽車を置いてAちゃんに近寄り、背中をトントンとします。この様子をずっと見ていたCちゃんも「Cもトントンしてあげる」と寄ってきて背中にふれます。「ぼくも」「わたしも」と次々に子どもたちが集まってきてAちゃんの背中をトントンとして慰めます。私とAちゃんは子どもたちに囲まれて身動きができないほどになりました。そのうちにAちゃんが「もう大丈夫」と立ち上がると皆、安心したようにそれぞれの遊びに戻っていきます。涙の原因だった(?)Bちゃんは自分のしたことはすっかり遠いことになったかのごとく「よかったなー」と言って「これしようか」とレール汽車をAちゃんに渡しました。
 子どもたちは幼稚園で過ごす中でお互いを感じながら、心を動かし関わり過ごしていきます。「悲しい?」「痛かった?」「大丈夫?」と相手の気持ちを考え、思いめぐらしことばをかけます。子どもたちは自分が悲しかった時、お母さんや周りの大人にトントンと慰められ安心した記憶が染み込んでいるから悲しんでいるAちゃんにトントンと手を添えたのでしょう。関わり合いの中に神さまが共にいて下さいます。子どもの心が育まれていくと感じた一コマでした。  (永瀬真澄)

 

    「あなたがたは神に愛されている子供ですから、神に倣う者となりなさい。」

                                           (エフェソの信徒への手紙5:1)