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東洋英和女学院大学付属 かえで幼稚園
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保育だより 3月号

 
 
   
 

節目の季節に思う

庭の黄水仙が咲きはじめました。子どもたちと長い間飼っている2匹のカメたちは毎年暦の啓蟄(けいちつ)ごろに冬眠から目を覚まします。ところが今年は、ジョイだけ少し早く2月中に這い出てきました。春間近の今、園のどこの場でも、落ち着いて夢中になって誰かとつながって楽しんでいる子どもの姿が見られます。3学期の姿であり、卒業や進級という節目を迎える季節の光景です。
 ある日のお弁当の後、永瀬先生が「ちょっと顔が赤くて心配なので熱をはかってみてください」と年少組のAちゃんを坂井先生のもとに連れてきました。すると、Aちゃんの後についてBちゃん、その後ろにCちゃんが立っています。坂井先生は椅子に座ったAちゃんの脇の下に体温計をあて、「どうかしらね。寒くはない?」と聞きます。Aちゃんは「寒くない」と答えました。Bちゃんは、Aちゃんの顔をのぞきこみながら隣りで心配そうにうんうんとうなずいていました。ところでCちゃんはというと、『私を見てちょうだい』と言うがごとくに首からぶらさげている物を手で揺らします。最初私にはペンダントにしか見えなかったのですが、ようやくわかりました。「Cちゃんお医者様?それトントンする聴診器でしょ?」…Cちゃんはニコっと笑って「そう」と答えます。私は、「そうなのね。Aちゃんがお熱かも?って思ってやって来たの?」「はい。お薬も持っています」と空き箱を開けて見せます。そしてCちゃんは、Aちゃんの背中に聴診器を向け(身体にくっつけるのは遠慮していました)、「かぜかもしれませんねえ」と言います。「かぜですかねえ?」の私の声に重ねて体温計がピっと鳴りました。「6度5分、お熱は無いからだいじょうぶ」と坂井先生。Bちゃんは、安心の表情でうんうんとうなずきます。Cちゃんは「よかったね」と言います。するとAちゃんは、あらためてBちゃんの姿を見て慌てて「Aちゃんもスモック着るー。Bちゃんと遊ぶー」と言い、坂井先生に「ありがとう」と言って二人でそろって保育室へと去って行きました。Cちゃんも、『それではー』と言うように私に目で合図して戻っていきました。
 嬉しいと感じました。ほほえましいひとこまでした。この3人は1年の間に、お母さんの腕の中から園へとゆっくりとなじみ、だんだんと保育者に信頼をもち、ひとりで好きな遊びをし、友だちの存在に気づいていきました。思いどおりにいくことといかないことの体験を経て、自分で考えて動き出すことと友だちと関わり一緒に過ごすことの楽しさを今存分に味わっています。Bちゃんは一緒にいたいAちゃんを心配してついてきました。Cちゃんは、Aちゃんの身体を心配する永瀬先生を見ていて察し、お医者さまになりきって『自分の出番』とついてきました。ニヤリとしてしまいます。そして、子どものこのような気持ちの働きに成長を感じさせられ、喜びがこみあがります。
  もちろんこの3人だけではありません。年少・年中の子どもたちも、そしてまもなく卒業する年長組の子どもたちも、みんなみんなです。それぞれペースは違っても、このような過程を通り、自分らしさをもって他者と関わりあう日々を重ねてきました。この過程はこれからも続きます。自分らしさをもって他者と関わっていらしたのは2階や庭での保護者の方々もですね…。
 特に、かえでを巣立っていく年長組の子どもたちにとって、神さまと多くの人に大事に愛された幼い時が、また主体的に協調性をもって遊んだ時が、自分を肯定し他者を愛する力の源となっていると信じます。幼児期を守られて精いっぱい生きた子どもたちの心の深いところに、「だいじょうぶ、神さまが愛してくださっているから。だいじょうぶ、いつもイエスさまが一緒にいてくださるから」ということを伝え、卒業式を迎えたいと思います。
   『主われを愛す、主は強ければ、われ弱くとも、恐れはあらじ』です。

 保護者のみなさま、毎日の送り迎え、お弁当作り、様々なボランティア…お子さんを、そして子どもたちを大切にしてくださり、ともに祈り、園を理解し、協力してくださりありがとうございました。感謝します。

 <聖書のみことば>
       「わたしは植え、アポロは水を注いだ。しかし、成長させてくださったのは神です」
                          コリントの信徒への手紙T 3章6節

                                      大漉 知子