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東洋英和女学院大学付属 かえで幼稚園
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保育だより 11月号

 
 
   
 

子どもの頃の思い出から

黙っていたり、泣いていたり、甘えたり、反発したり、わざわざ困らせたり、大人に気をつかって良い子でいたり・・いろいろな子どもを前にこの子を理解し、安心させたいと思います。そのような時に私が思い出す子どもの頃のひとこまがあります。
 私が小学校4年生になったばかりのことでした。
 妹が病気になり、入院することになりました。私の生活は一変しました。母はその付き添いのためにいっしょに病院に泊まり、私の面倒を見るためには祖母が家にきてくれました。ただ、祖母も自分の用事や家をずっと留守にできない事情があったのでしょう。土曜日には学校が終わるのを待っていて祖母と私は電車に飛び乗り、祖母の家に行き、(当時は土曜日も学校がありました!)日曜日には父が迎えに着て家に帰り、月曜日の午後にはまた祖母が来てくれるという生活になりました。
 この年の夏休みはずっと祖母の家に預けられて過ごしました。祖母も親戚もとても優しく私のことをかわいがってくれました。たぶん私のことを不憫だと思って普段以上に気を使ってくれたのだと思います。私はそれなりに楽しく夏休みを過ごしました。
 夏休みが終わりに近づいても妹の入院生活は続いていました。いつまでこの生活が続くのか小学生の私にはわかりませんでしたが、子ども心に妹の病気は重くて母や父が困惑していることはわかりました。2学期になりました。私は夏休みの宿題を一つもしないで学校に行きました。担任のT先生(男の先生でした)は私のことを叱りませんでした。そのかわり、「宿題をしてこなかったおしおきだ」と言って私のことをおんぶしました。私は妹が入院してから初めて、大声で泣きました。先生の背中で涙が止まらなかったことを覚えています。
 妹が入院をしていたこの時、寂しい気持ちを我慢していたという意識は私の中にありませんでした。けれどT先生におんぶされた時、心のかたまりが溶けたような感覚を覚えました。悲しくて心細かったけれどそれを言ってはいけないと思っていたことに初めて気づきました。
 自分の思いをうまく表現できない子どもたちの心を受け止める存在になりたいと毎日過ごしています。私がT先生の背中に受け止められてその時を過ごしたように…。

 <聖書のみことば>
       『「主よ、わたしの祈りを聞いてください。この叫びがあなたに届きますように」』
                                                      詩篇102篇2節


                                                               永瀬 真澄