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東洋英和女学院大学付属 かえで幼稚園
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保育だより 3月号

 
 
   
 

保育者が手をとって…

春弥生の季節は、人間の五感がよく開き、鋭敏に研ぎ澄まされて私たちのからだに入ってくるようです。幾重にも重なった表層を通り抜け入ってくることも、内側から湧き上がり外へと発散されていくことも、この時期、からだはよく知っているようです。
 先日、幼児期における、とりわけ触覚性の持つ表現性について、深く思わされる出来事に出会いました。大学の幼児グループに小麦粉粘土を毎回提供しています。作り手はほぼ同じ方が行っています。その都度微妙に違いがあるとはいえ、同じような活動を引き出していました。その日は、かなり調整してもいつもよりよく伸び、重力を感じているような形しかできないようでした。するとある子ども(2歳11ヶ月)が、ボウルに入っている粘土を中から引き揚げるような感じで引っ張ってはボウルの縁にかけているのです。くっつけるというのではなく「かける」という動作を縁の周りに等間隔に行っています。子どもいわく、「干しているの」と。小麦粉粘土の素材感、この場合触感がこの行為を引き出させたことと、子どもの生活の中で洗濯機の中から洗濯物が引き出され、干していくという行動のイメージがあることも、本当に素敵なことだと思いました。子どもの中に素材に応じる感性と表現が明示できる力が育つことを信じ、保育は営まれています。
 デザインマインドという語を意識したのは、21_21デザインサイトの『あ』展でした。「私」にとって「ちょうどいい」という基準はどこから生まれるのかを、問うような展覧会でした。それぞれにふさわしい決定ができる力を育てることが、デザインマインドと受け止めています。私たちのまわりにあるもの、生活する中でこんな形、こんな風にしたいなと思うことを感じていくこと、つまり自分の中に心地よさの快・不快の基準が確かに存在します。基準は不動のものではありません。いろいろな経験のなかから「こうしたい」「こうしよう」という根拠が自分の中にあることを大事にし、育ててほしいのです。子どもはその初めに、五感の中でも「触・嗅・味」を通してとりこむのです。
 幼児期の子どもたちは、既定のまたは規定のことから解放されて経験をしています。今後、見る・聞くことを通して知識は増大するのです。しかし、膨大な情報の世界に生きるものにならざるを得ない子どもたちには、今この時期にこその経験の捉えがあると信じています。
 3月は新しい世界への希望を抱いて発つ時です。「願わくは、お一人おひとりに、主が共にいてくださるということを信じる心をお与えください」と祈る者です。


               「光の子として歩みなさい」エフェソの信徒への手紙5:8
                                                              園長 石津珠子


 
 

早春のひだまりの中で

なわとびを楽しむ子どもたち

木工室での年中組と年少組のふれあい

さるごっこをする子どもたち(年中組)

自分の顔を描く子どもたち(年長組)