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東洋英和女学院大学付属 かえで幼稚園
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保育だより 11月号

 
 
   
 

創立記念日を前に

10月23日、お休みをいただいて、教職員全員で千葉県富津市にある和光保育園へ見学研修に行ってまいりました。里山につながる園庭、古民家風の木造園舎という素朴で温かな空間に0歳から6歳までの子どもたち100人余りがとても幸せな時間を過ごしていました。その日私たちは、秋のやわらかな日差しの中で遊び・生活する子どもたちと保育者の姿に、子どもの育ちの原点を覚えさせられました。
 落ち着いて喜んで遊ぶ子どもたちの姿は、かえで幼稚園の子どもたちと重なるものがありました。子どもたちは、ゆっくりとした時間の流れの中、環境や状況に添って良く考え、ものと向き合い、人と関わり、自分と対話していました。その上で、和光保育園の子どもたちは、実に『生活』する者でした。必要な道具や素材を準備したり片付けたりすること・靴下や服が汚れればタライの水の中でごしごしと洗濯すること・広い廊下(縁側)をぎゅっとしぼったぬれ雑巾でたったったと雑巾がけすること・お昼が近づくとお腹が空いた子どもが机(ちゃぶ台)を運び出し食卓を整えること…どれもやらされているという感じでは無く、自分(たち)のこととしてあたりまえにさりげなく、そしていきいきとしていました。そこには、子どもと保育者・大きい子どもと小さい子ども・同年齢のなかま同士、皆が『同じ地平に一緒に生きている』という関係がありました。尊重し合い、助け合い、励まし合い、共感し合う関係です。(この日の見学中には見ることができませんでしたが、園と保護者の関係もそのようであることが、十分にうかがえました。)
 かえでの子どもたちも、3歳・4歳・5歳・6歳と体験を重ねる中、また春・夏・秋と季節を過ごす中、育ち続けています。愛されて安心して主体的に遊ぶことが守られています。幸せな幼い時です。しかし、生活という面では、どうでしょうか?どちらかと言えば、園も家庭も、子どもが自分で気付いて動く前に、準備され整えられ過ぎているのではないでしょうか。自分でやってみて失敗してやり直す前に、大人が(愛情と大人の都合によって)「困らないように」と手と口を出して手伝い過ぎてはないでしょうか。・・・・・その結果、本来子どもは「自分でしてみたい」という意欲をもっている者なのに、自分のできることでも誰かがやってくれるのを待つようになったり、身の周りの始末や役割をめんどうと感じて避けてしまうようになってはいないでしょうか。私は、見学しながら、子どもの甘えや依存の余地は残しながらも、援助の仕方を考えていきたいと思わされていました。
 和光保育園の鈴木まひろ園長が、「子どもを尊重し、主体的な学びを生活の中に用意する。子どもでも手の届く仕事があるということが大事」と言われていました。子どもに課し強いるというのではなく、『子どもを尊重して』ということが出発点です。(確かに和光の子どもたちは、大人に信じられていました。)
 尊重され、尊重しあう関わりの中、自分でやってみて、時にはつまづき、時には助けてもらいながら、ゆっくりとつかんでいく生きる力は、その子どもを安定させるだけではなく、やがて他者と一緒に過ごすことにも他者を助けることにも生かされていくと思えます。
 11月6日は、1884年、カナダメソジスト教会の婦人宣教師によって創設された東洋英和女学院の創立記念日です。かえで幼稚園は、その建学の精神『敬神奉仕』を引き継ぐ枝のひとつとして42周年目を守られ過ごしています。
 私たち教師たちは、創立記念日を前に他園の見学を通して立ち止まり、『子どもの育ちに何が大切か』を考え合う機会を与えられたことに感謝しています。
 神さまからいのちを与えられ成長させていただいている子どもたちが、様々な人・もの・事との関わりの中、地に足をつけて生活し、日々を喜んで生き、やがて人のため、社会のため、神さまのために奉仕できる存在となれるようにと祈ります。



     ―建学の精神の土台となるみことば―
        『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、
                                  あなたの神である主を愛しなさい。』
        『隣人を自分のように愛しなさい』
                                           マルコによる福音書 12章30、31

                                                               大漉 知子