ENGLISH

学院HOME 大学 大学院 生涯学習センター 付属かえで幼稚園 中学部・高等部 小学部 幼稚園
東洋英和女学院大学付属 かえで幼稚園
かえで幼稚園トップページ
幼稚園の紹介
保育の内容
幼稚園の生活
保育だより
入園案内
アクセスマップ
 
 
 

保育だより 11月号

 
 
   
 

東洋英和女学院創立130周年・かえで幼稚園41周年
創立記念日に想うかえで幼稚園の原点

去る10月24日、教師研修日として幼稚園を休園させていただき、長野県上田市の『梅花幼稚園』の保育の見学に行って参りました。私たちの学院と同じくカナダ婦人宣教師によって今から114年前の1900年に創設された園です。1902年に建てられた園舎は現在もそのままに使われています。当時宣教師の先生方が幼稚園の園舎と隣接して建てられたのが宣教師館であり、1905年にはそこで日本の子どもたちの幼児教育のための保育者養成事業が始められました。『上田保姆傅習所』と呼ばれました。生徒たちは、宣教師館での机上の学習と、梅花幼稚園の子どもたちとの実習とを行き来しながら、また宣教師の先生方とふれあい交わりながら、どんなに豊かな学びの時を持ったことでしょう。やがてその学びの場は1919年に保育者養成の拡大のために場所を上田から東京に移し、『東洋英和女学院保姆養成所』となりました。この養成所が師範科や保育専攻部等と改称を重ね、1950年短期大学の保育科となり、その短期大学の付属園として1973年に生まれたのがかえで幼稚園です。私たちは、この研修日に、かえで幼稚園のルーツを探る機会を与えられました。

 秋のやわらかな光の中に、110年余りの時そこに建ち続けた建物を見た時、それだけで感慨深いものがありました。その園舎の中や庭で、かえで幼稚園の子どもたちと同様に自分の選んだ遊びをする一人ひとりはとても穏やかです。どの光景にも、自分で立っている子どもたちがいて、どの光景にも周りの状況や人を受け入れている子どもたちがいたのです。平たいことばですが、とても優しくて、とてもたくましい姿でした。小さい年齢の子どもにもたくましさを感じさせられました。そして大きい子どもたちは、実に自然に小さい子どもたちのできないところをちょっとずつ助けていました。どの子どもも、ゆっくりとじっくりと落ち着いて遊んでいました。
 梅花幼稚園の現在のキャッチフレーズは「うんと遊んで 考えて」ですが、これは100年以上前の傅習所の2代目所長であった宣教師ミス・ドレークの「子どもたちには自分でものを考え、行動する経験をさせなければならない。教育とはこちらの考えを押しつけることではない」という教えに通じます。
梅花の子どもたちとかえでの子どもたちの姿の重なる面は多くありましたが、それでも尚、考えさせられたことは、「私たちは子どもを大事にする余りに、子どもが自分でしっかり立つために必要なことまで子どもからそぎとってしまってはいないか? もっと子どもの力を信じて、子どもの考えるべきことや、子どものすることを、子どもに戻そう」ということでした。これは、家庭でも園でも大切なことであり、子どもをめぐる私たちの共有のテーマにしてみたいと思っています。

 かえで幼稚園の保育も、梅花幼稚園の保育も、その土台になっているのは、カナダ婦人ミッションの宣教師の先生方が伝えて下さった「聖書に証されている神様の愛と主イエスのゆるしと導き」です。私たち保育者は、そこを柱としそこに立ち返る中で、日々子どもに向かうことができ、子どもを信じ愛せます。子どもたちは、その存在そのものを愛され自尊心を大切にされる中、保育者を信じます。そして子どものその姿を通して保護者の方々からの信頼もいただけるようになります。一方、保育者同士も信頼しあってチームとなります。信頼の連鎖の中で保育が継承され守られていることの恵みに、しみじみと感謝します。

 カナダの宣教師ミス・マーサ・カートメルは、38歳にして、「キリストの福音」に基づく教育を行うことを使命として日本の地に渡って来られました。そして1884年に東洋英和女学院を創設されました。その時ミス・カートメルは「神は見て、支えたもう」と、神様を賛美しました。130周年を覚えるこの11月6日、学院では感謝の礼拝と共に、建学の精神「敬神奉仕」に立った教育の過去・現在をあらためて問い直し、未来を見据えるためのシンポジウムを全学院教職員一同でいたします。 同時に私たちは、たまプラーザの地域の子どもたちとそのご家庭のために41年前に建てられたかえで幼稚園の創設の目的を、確認したいと思っています。

 1.地域の幸せ、子どもたちとその家庭の幸せを願うものであること
 2.宣教師の先生方が命がけで伝えて下さったキリストに従っての幼子を愛し育む 保育を成すこと
 3.キリスト教保育をめざす学生の養成を支える実習の場であること
 4.より良い幼児教育を成すための研究をすること

 時代が移り変わり、子どもをめぐる環境は変化していますが、この原点に立ち、継承し続けていくべき大事なものを守り、改善できることを工夫する努力を、祈りながらしていきたいと願います。

   「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。
                                               隣人を自分のように愛しなさい」

                                                  マルコによる福音書12章30〜31

                                                                 大漉 知子