ENGLISH

学院HOME 大学 大学院 生涯学習センター 付属かえで幼稚園 中学部・高等部 小学部 幼稚園
東洋英和女学院大学付属 かえで幼稚園
かえで幼稚園トップページ
幼稚園の紹介
保育の内容
幼稚園の生活
保育だより
入園案内
アクセスマップ
 
 

保育だより 10月号

 
 
   
 

草木を編む ― かごの話

秋風が吹き渡る野山に、長く伸びた草や蔓がそよぐ季節になりました。
草木を使ってかごを編む作家の展示*を見てきました。何しろヘクソカズラで編んだ縄の造形と聞いて見てみたいと思ったのがきっかけです。ヘクソカズラの名前に郷愁があったせいでもあります。さて、関島寿子さんの作品は、いわゆる用に供するかごの概念を広げる独自な作品です。アメリカの現代工芸の潮流に刺激を受けて、独自のかごの表現を追求してきた関島さんの仕事には、様々な素材の性質や豊富な種類を用いて、編んだり、組んだりすることで、空間を内側に囲い込んでいく「空間を抱き込む」造形です。おそらく時間をかけてかごを編んでいく作業そのものに内在する空間性の問題は、他の造形の陶芸や金工と違って、伸縮するゆるやかさがあります。編む行為は、「素材の性質」と「編み方」が組み合わさって「形」が決まるという密接なつながりがあります。葉、茎、皮、芯、枝、蔓、根いずれも使うにそれぞれの性質があります。そのことを、採集する経験の中で、自然に感じ取っていくものだと言います。たわめて反発する力、やわらかくてねじっても切れない性質を捉えて、素材を編むには、絡める、結ぶ、巻く、組む、織る、捩じるなどの方法があると関島さんはバスケタリーの方式を分類しています。編むという行為が作り出す作品は、植物の線が作る空間で構成された編み目、重なり、質感、すきまから光や空気の透過、陰影などをふくみ、かご独自の造形の美しさや面白さを堪能させてくれます。
 登園時に子どもの手に握られている草花や、ままごとの材料としてちぎられる園庭の草花を見るに付け、今まさに、こうして植物のいろいろな性質を幼児が実感する時なのだろうと微笑ましく思わされます。

  「今日は生えていて、明日は炉に投げこまれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。」
                                                  マタイによる福音書6章30節

 ※『陶の空間・草木の空間―川崎毅と関島寿子展』菊池寛実記念 智美術館 2014/7/12〜9/28

                                                              園長 石津珠子