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保育だより 9月号

 
 

『自由』は『秩序』に向かうもの

セミの合唱がコウロギやスズムシのハーモニーに変わり、季節は秋です。
  夏の終わりにもたれた年長組の二つのキャンプは、それぞれに豊かに守られ感謝です。
  みなさまにとっては、どのような夏だったでしょうか。

 8月30日、31日と、たまプラ―ザテラスで、青葉区の20の幼稚園が協賛しての『幼稚園フェスティバル』が開かれました。女性の就労率の増加だけではなく様々な理由から、近年保育園やこども園を選ぶ家庭も多くなってきています。それでも、この地域には、子どもにとっての幼児期の安定や教育の充実、そして家庭での育ちを重んじて、「幼児期は幼稚園で」と、選択される保護者もまだまだいらっしゃいます。そのような思いの方を応援し、『幼稚園』の選択を尊重し、幼稚園の意味や良さを伝えることがフェスティバルの主旨でした。
 会場でのかえでへのお問い合わせには心をこめて応えました。私にとって印象的と思えたのが、何人もの方が『自由』について語られたことでした。

 お声は2つの方向に分かれていました。
 1. ・かえで幼稚園の自由な保育が良いと思ってます。いっぱい遊ぶことは子ども時代に大切なことだし、
     子どもにとって幸せだと思うので、是非幼稚園でのそのような時間をもたせてあげたいと思っています。
    ・自分でやりたいことをやりたい時に選び、満足するまでやり遂げる自由が、子どもの自主性と決断力を
     育てていくと思えます。

 2. ・かえで幼稚園の自由は魅力ですが不安です。ずっと勝手なことだけして、友だちとも、新しい遊びにも
     出会わずにに過ごしてしまいそうです。
   ・「自由なら公園と同じ」とも思ってしまいます。
                                       等など…

 私は、子どもの自発的な遊びを重んじた保育に対する両面の感じ方をそれぞれに受け止め、どちらに対しても言葉を添え、かえで幼稚園のキリスト教保育観と、子どもと共に居る保育者の役割について以下のように話させていただきました。
 *『自由』を大切にする保育は、けっして勝手気ままを認めるゆるさのある放任の保育ではありません。保育者は、子どもの存在や思いを愛おしみ、尊重し、子どもが自分で考え自分で動き出す時、立ち止まる時、じっと見ている時、思いをコントロールして抑える時、友だちと出会う時等を支え、子どもの成長につながるようにとの願いをもっています。

 *子どもにとって、全くの放任された環境は、不安でかえって不自由なものです。信頼できる大人との関係の中で、時間・空間・人との間のルールなどの枠(ライン)を示されることで、安心して『自由』になれます。保育者は子どもの成長・発達に合わせた枠を子どもにわかるように伝えていきます。

 *クラスで集まって先生の指導のもとに集団活動をしている時も、礼拝などで 静かに話を聞いている時も、子どもが安心して喜んでいる時、心は『自由』です。好きな遊びをしている時だけが自由なわけではありません。

 *公園と幼稚園は違います。何故なら、幼稚園には、1週間・1ヶ月・1年間…を見通しての今をとらえ、教育的な視点をもって遊びや人間関係に関わる保育者がいるからです。見通しの中で、一人の遊びを十分に楽しむ時を保証したり、友だちとの遊びを創り出す助けをします。

 *保育者は、子どもがより自由に自主的に軽やかに生き、遊べるように、身につけておくべき良いものは、時を捉え家庭と協力しあって教えます。
  基本的な生活習慣、遊具や道具の正しい使い方、遊びの手順、人との関わり方等など。

 *「隣人を自分のように愛しなさい」(マルコ12章31節)という聖書のみことばに立ち、自分が『自由』であるためには相手(他者)の『自由』も尊重しなければならないことを覚えます。置かれている社会(幼稚園や家庭)の文化やルールを守ってこその自由だと思います。

 私たちは、一人ひとりの子どもを大切にしますが、子どもの思いどおりにさせるのではありません。子どもと共に居て共に生きる大人は、子どもの言動によっては、きちんと関わり、より良い価値観を伝えるものでありたいと思います。子どもがなお生きやすくなり、安心して気持ちよく生活できるようになるためです。そしてこの繰り返しの中、抑えつけられた形ではなく、子どもの思いの中にも園の中にも『自由を認められた中での秩序』が生まれていきます。

 このことが日々積み重なって、穏やかに楽しい子どもの時間が守られますよう、2学期も保育者がチームとなって祈りつつ歩みます。どのような育ちのエピソードが生まれるか楽しみです。2学期もよろしくお願いいたします。


大漉 知子
 
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