角藤 比呂志 教授 (医学博士)
- 専任教員氏名:角藤 比呂志
- 専門分野:臨床心理学:心理療法(統合的心理療法)、心理査定(主にロールシャッハ法・WAIS知能検査等)、精神科心理臨床等
〇主な所属学会:日本 心理臨床学会、日本ブリーフサイコセラピー学会、日本EMDR学会、日本催眠医学心理学会、日本マインドフルネス学会
研究テーマ
1)効果的で効率的な統合的心理療法の探求(ブリーフサイコセラピー、精神分析、認知行動療法、家族療法etc.)
2)ロールシャッハ法の治療的効力(治療的アセスメント)についての実践と研究
3)トラウマ治療(マインドフルネス、EMDR、EFT、ブレインスポッティング、その他)
指導可能なテーマ
医療保健領域の臨床心理研究(心理査定、心理療法等)ほか
論文作成指導方法
課題が、研究テーマとして適切であるか、独創性を有するか等を検討し、目標達成のための方法論や論文構成・内容などについて討議する。修士・博士に相応しい水準に到達するようサポートしたい。
担当科目
臨床心理学特論Ⅰ(修士論文指導) | 臨床心理学の専門家を育成することが究極的な目標となる。実践家であり科学者である(科学者-実践家モデル:scientist-practitioner model)ために、臨床心理学の理論と技術を広範かつバランスよく学ぶ。 |
臨床心理学特論Ⅱ(修士論文指導 | 臨床心理学特論Ⅰに引き続き、臨床心理学の専門家となるために、実践家(practitioner)に必要なコンピテンスを深化させるとともに、科学者(scientist)としての修士論文の完成を目指す。 |
臨床心理査定演習Ⅰ(心理的アセスメントに関する理論と支援の展開) |
心理療法と心理査定は臨床心理学の両輪であり、相補的関係にある。本演習では、構造的なアセスメントであるWAIS-Ⅳを中心に、事例を通して実践的なアセスメント能力を育成する。
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臨床心理査定演習Ⅱ |
臨床心理査定演習Ⅰに引き続き、非構造的なアセスメントの代表であるRorschach Testを中心に、フィードバック面接や報告書の書き方も含め、事例を通して実践的で治療的なアセスメント能力を育成する。
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心理実践実習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ | 公認心理師の指定科目である。専任教員8人共同で担当する。学外実習施設と付属相談室における実習,事前事後指導をとおして公認心理師の職責と意義を学ぶ。 |
臨床心理実習Ⅰ・Ⅱ | 実習機関において要心理支援者に対する実際の支援計画を立案・実践し、その活動を通して臨床心理査定、心理療法、臨床心理学地域援助に関する実際的能力を習得する。その内容について授業内の合同カンファレンスにて指導を受ける。 |
心の健康・教育に関する理論と実践 |
心の健康教育に関する理論と実践について、輪講による具体的な場面を想定した役割演技 (ロールプレイング)や事例検討を行い、公認心理師に必要な知識及び技能を習得する。
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履歴・職歴等
1980年 茨城大学人文学部文学科心理学専攻を卒業後、順天堂大学医学部附属順天堂伊豆長岡病院に臨床心理士として勤務。1988年 順天堂大学医学部精神医学教室助手となり、1992年 医学博士を取得。2002年 東洋英和女学院大学人間科学部助教授に就任、2006年 同大学教授となる。
著書・論文
「精神科Mook10心理検査法」(共著)金剛出版(1985)、
「心理検査の基礎と臨床」(共著)星和書店(1987)、
「心理療法を学ぶ」(共著)金剛出版(1994)、
「精神科症例集4躁うつ病Ⅱ・非定型精神病」(共著)中山書店(1994)、
「日常生活からの心理学入門」(共著)教育出版(2001)、
「現代の子どもと強迫性障害」(共著)岩崎学術出版(2005)、
「ボーダーラインの人々−多様化する心の病」(共著)ゆまに書房(2005)、
「必携臨床心理アセスメント」(共著)金剛出版(2008)、
「対人援助の技とこころ-心理療法再入門-」(共著)金剛出版 (2009)
「新時代のやさしいトラウマ治療」(共著)(2017)
※論文は本学図書館学術リポジトリにて東洋英和女学院大学心理相談室紀要7巻(2003)~20巻(2023)に掲載
受験生へのメッセージ
本大学院は、公認心理師及び臨床心理士の育成を主たる目的とする大学院です。臨床心理学の実践活動は、対象や領域において多岐に渡っています。したがって、理論と技法も広範かつ柔軟であることが望まれます。そうした必要性に応じられるカリキュラムを提供したいと思います。私個人は、基本的には精神分析理論に立脚していましたが、現在は解決指向アプローチや認知・行動療法等の理論と技法を取り入れた効率的で効果的な心理援助とロールシャッハ法の治療的活用について探究しています。最近ではマインドフルネスやトラウマ治療にも関心を向けています。皆さんが、皆さんの臨床スタイルを確立していくための礎を作れることを願っています。ちなみに私自身は二人の師(秋谷たつ子先生・神田橋篠治先生)との出会いが臨床スタイルの基礎となりました。