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2022年05月26日:お知らせ

花子プロジェクト第3期生、夢を掴み第一志望に内定。2023年度入学者募集開始

 本学の人間科学部人間科学科は、2017年に『花子プロジェクト/村岡花子記念給費奨学生』を創設しました。
 児童養護施設に暮らす女子生徒に、大学進学のチャンスを掴んでもらうべく、入学検定料・入学金・学費を免除する制度です。一般の入試制度と異なり、入学から在学中の支援を含めて卒業までをトータルサポートし、社会に送り出すことを目指している点が特徴です。
 花子プロジェクトの名称は、1913年に東洋英和女学校高等科を卒業した村岡花子に由来します。村岡花子は、翻訳家・児童文学者として多くの業績を残しており、『赤毛のアン』を翻訳しました。女性だから、経済的に不利だからという理由で諦めず、給費を得て、学びの機会を掴み、社会に羽ばたいた女性です。
 本プロジェクトの奨学金は、村岡花子の遺志に基づく翻訳書印税の一部により支えられています。
 第一志望の企業に内定した奨学生の4年間で感じた変化についてご紹介します。

Q. 大学進学について、どのように考えていましたか?
高校入学前から大学進学については考えていて、自分の性格から自分のために『人に関すること』を学びたいと思っていました。施設の方から本学の花子プロジェクトの話を聞いた時は、人間のこころや行動について学ぶ人間科学科が自分に合っていると感じました。

Q. 大学の4年間を通じて、どのような変化がありましたか?
「元々自分のことを話すのが苦手で、自分の力でできることは限られている」と思っていました。でも、大学生活を送る中で、人を頼ることの大切さを理解し、一つずつ積み上げることで自分の可能性に気づくことができました。

Q. 残りの学生生活でどんなことをしてみたいですか?
アルバイト(接客)を続けたいです。高校生の時からアルバイトをはじめて、人との接触の少ない内容からはじめ、大学生の時に接客に変えました。人間科学科での学びを通じて、人間関係に余裕が生まれ、周りの人と接することに自信を持つことができました。

Q. 就職活動を終えて、どのように感じていますか?
たくさんの説明会に参加することで、接客や地域貢献を主軸に就職活動をしたいと思いました。自分ひとりで悩まずに、キャリアセンターに通い、アドバイスをたくさんもらいました。大学生活を振り返り、自分の変化を言葉にすることで、大学で得た自信を自覚することができました。その結果、第一志望の企業に内定をいただきました。

Q. 同じ境遇にある10代に一言お願いします。
大学生活の4年間には意味があります。私は、人と関わることに苦手意識を持っていました。でも、人間科学科で人間のこころや行動について学び、気付きを得ることで、この苦手意識は和らぎました。これから先も自分の可能性を広げながら社会に貢献していきたいと思います。
「自分はきっとこのくらいだろう」というイメージは、自分の努力で変えることができます。自分のために学び、周りを頼りながら、自分の可能性を広げる4年間を東洋英和女学院大学では送ることができます。人間科学科で素敵な大学生活を送ってもらえたらと思います。

創設者の人間科学科 佐藤智美 教授(副学長、専門:教育社会学、比較教育学)のコメント
今回就職を決めた花子さん(花子プロジェクトで入学した学生さんを花子さんと呼んでいます)が私を笑顔で尋ねてきてくれました。その笑顔を見て、3月に花子プロジェクト第2期生だった先輩花子さんの卒業を見送ったことを思い出しました。この学年は新型コロナ感染症予防対策のために、授業がオンライン化し大学に来ることができない時期を含んでの4年間でした。ですが、卒業式の後、満面の笑みで大学生活の経験と自分にとってのその価値について振り返ってくれました。
今回の第3期花子さんインタビューでも、残りの大学生活が短くなる中で、これまでとこれからをしっかりとした自分の言葉で笑顔で語る花子さんを目の前にして、その成長ぶりにこちらの心が弾みました。大学での4年間はそれぞれに楽しく、社会に出ていく入り口ではありますが、ここでの経験はあくまでも今後のための足場であり、それを超える豊かな経験を重ねていってほしいと思います。花子プロジェクトの真価が問われるのは、花子さんたちにとっても大学にとってもまだまだ先のことだと思います。
今年卒業した先輩花子さんと来年卒業を迎える後輩花子さんの「大学での学びと経験が現在と将来の自分を方向づけてくれたことが本当にうれしい」という言葉に、改めてこちらが感謝し励まされています。

■募集学科人員
人間科学部人間科学科 2名(2023年3月卒業見込みの者、2022年3月卒業した者)
■募集方法・応募手続き
児童養護施設長と高等学校長の推薦により、応募可能となり、指定施設推薦入試実施前に本学担当者との事前面談を行う必要があります。
2022年9月30日(金)までに、施設を介して、応募の意志を本学入試広報課に連絡してください。
詳しい内容は、お問合せの上、パンフレットをお取り寄せください。
人間科学科指定施設推薦ページ
https://www.toyoeiwa.ac.jp/daigaku/prospect/nyushi/info/info_09.html
※問合先:e-mail nyushi@toyoeiwa.ac.jp/ 電話045-922-5512(入試広報課)