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2022年04月04日:お知らせ

2022年度 大学入学式式辞

 新入生の皆さん、ご入学、おめでとうございます。また、ご息女を大学入学まで支え、見守ってこられたご両親をはじめ、ご家族の皆様、そのご苦労に対しまして、心より敬意を表し、改めて、大学を代表し、お慶び申し上げます。教職員一同、新入生の皆さんのご入学を心から歓迎いたします。

 感染防止を施した中ではありますが、本日、新入生と保護者をお迎えし、お祝いできますことを、何よりも嬉しく思います。新入生の皆さん、新型コロナ禍の厳しい環境下での高校の勉学や生活は大変だったでしょう。皆さんはそれに耐えて、今日ここに晴れて東洋英和女学院大学の新入生として、この入学式に臨み、新入学生に向けた私の式辞を聴いています。

 新入生の皆さんは、将来、今日という日を振り返る時に、マスク着用の入学式は思い出に残るものになろうかと思います。新型ウイルスは未だ収まっていませんが、明けない夜はありません。2020年から続くコロナ禍の日々における我々の生活は、まさに真逆の世界に突入した感があります。「動」から「静」へ、180度パラダイムシフトをした、と言って過言ではありません。しかし、そんなコロナ騒動も、近い将来、そう言えば、そんなこともあったんだよね、と人々の記憶から徐々に遠ざかる時期が一日も早く来ることを願って止みません。いや、人類の英知により、必ずやそれが近いうちに実現すると固く信じております。

 さて、新入生の皆さん、希望を胸に東洋英和女学院大学に入学され、これからの4年間を大学生としてどう過ごそうか、あれをやりたい、これもやりたいと、いろいろと思いを巡らされていらっしゃることと思います。本日の入学を祝し、晴れて東洋英和女学院大学の学生となった新入生の皆さんに、私から、二つのことをお願いしたいと思います。

 

 一つは、「時間」への意識を持って頂きたい、ということです。時間には限りがあること、つまり時間の「有限性」、これをいつも意識して東洋英和での学生生活を送ってください。宇宙が出来たのは137億年前、その中の地球という惑星の歴史は46億年と言われています。人類は500万年から700百万年前にアフリカで誕生し、その後進化を遂げて今のわれわれ人類がいるのですが、地球の歴史の46億年の中の、しっぽの部分のせいぜい数万年をわれわれ人類は生きています。「人生100年時代」と言われますが、寿命が延びたと言っても、人が生きられるのはせいぜい100歳。人類が文字を使うようになってからの5千年の歴史の時間軸でみても、人生100年の時間は、ほんの一瞬の「まばたき」にもならない時間です。そんな一瞬のまばたきの、さらに一瞬の100分の4、つまり人生の100年の中の4年間という大学生活の時間はあっという間に過ぎます。後で振り返って「やれなかった」とか、「やっておけばよかった」と後悔することのないように、貴重なこの東洋英和女学院大学での4年間をどうぞ有意義に使ってください。教授陣や友人とたくさん対話をし、またたくさん本を読んでください。学生だからこそ考えを巡らせる時間がたくさんあります。サークルに加わり、またキャンパスを出て、地域の人たちと交流する活動も学びの視野を広げる良いチャンスです。

 お願いしたいことの二つ目は、「外から自分を見る」ことを意識して欲しい、ということです。「外から自分を見る」ということを習慣にしてください。今日から東洋英和で始まる4年間、皆さんは様々なことを経験します。涙が出るほどの感動や、これまでの価値観を180度変えてしまうような素晴らしい本や素敵な人、友人との出会い、苦しくとも楽しい部活の練習の日々が待ち受けていると思います。悩むこともいっぱい出てくる筈です。迷うこともいっぱいあるでしょう。若いのですから、大いに悩み、大いに迷ってください。そして、そのような時に、どうぞ自分を、自分の心を、外から見つめて、もう一人の自分と対峙し、対話をして欲しいと思います。自分の殻に閉じこもらず、自分は、自分が、という自分意識ではなく、外から自分を見つめ、外から自分と対話し自分の意識を確かめるようにしてください。そうすることにより、おのずと自分がやるべきことや方向性が見えてきます。「外から自分を見る」という意味では、コロナが落ち着いてきたら、時には今いる場所を離れ、距離をおいて自分を見る、ということを試みても良いと思います。海外への留学も一つの選択肢となるでしょう。今いる場所から離れたところに身を置いた時、自分がどう感じ、どう考え、どう行動するか、見つめてみてください。自分の価値観、これまで何となく抱いてきた価値観や考え方に変化が生じ、一回り大きな自分と対峙し対話をしている実感が沸いてくるのではないかと思います。

 皆さんのこの、(1)時間が有限でることへの意識を常に持って、(2)自分を外から見て自分と対話する、このことによって過ごす東洋英和女学院大学での4年間を、教職員一同、最大限サポートをしますので、どうぞ勉学に邁進し、また学生生活を大いに楽しんで、エンジョイして頂きたいと思います。

 さて、皆さんは東洋英和女学院大学を選び、入学されたわけですから、本学の成り立ちや本学の教育についてはおおよそのところはお分かりいただいているかと思います。本学は、キリスト教に基づく人格形成を重んじる高等教育機関です。東洋英和の建学の精神で、本学のモットーとも言える「敬神奉仕」の言葉に本学の教育理念が凝縮されています。「神を敬い、隣人を愛しなさい」というこの敬神奉仕は、母体である学院が創立された1884年(明治17年)から138年目にあたる今日に至るまで、一貫して揺ぎなく、また変わることがなく受け継がれてきています。敬神奉仕はつまり、神を愛し、人を愛すること、神に愛されている自分という存在を尊く思うこと、そして、自分と同じように他者、隣人を愛することです。これこそが東洋英和女学院の真髄であり、教育の柱です。本学は、従って、キリスト教の精神に基づいて、「礼拝」と「祈り」を大切にしています。皆さんの中には、お家がキリスト教ではなく、仏教や神道を信じていらっしゃる、という人もいるかも知れませんが、キリスト教のみならず、様々な宗教の考え方への理解は、グローバル時代を生きる我々にとって必須の基礎知識だと考えています。東洋英和の学生には、本学での「礼拝」や「祈り」を通して、自分が何のために存在しているのか、どのように生きるべきか、どのようにすれば自分を愛し、他者を愛し、大切にすることができるかを、心の中で絶えず対話し、見つめられる人になって欲しいと思います。

 もう一つ、東洋英和女学院大学の特徴をお話します。それは、他者と協力して働く、つまり「協働力」を大切にして、そのために必要な共感力、人の心を分かろうとする人格を育てる大学であるということです。新入生の皆さんは、緑の森の中でゆっくりと時間が流れる静かな佇まいのこの学び舎で、大学生として、知的にものごとを考え、創造的思考を育てながら、同期生や先輩、後輩達と共に行動し、自身の人格を高め、皆さんの先輩達が営々と築き上げてきたこの東洋英和の伝統と校風、英和スピリッツを学び、引き継いで、そしてこの東洋英和の長い歴史を紡いでいく一人ひとりになって欲しいと思います。

 今日のこの入学式の時点で、皆さんの中には、すでに「なりたい自分」が見えている人もいるでしょう。あるいは、何になりたいか、将来どのような職業に就きたいか、それを見つけるために大学に入ったという人もいるに違いありません。そのような人は、どうぞ在学中にそれを思う存分見つけてください。私たち教職員一同は、皆さんが「なりたい自分」を発見し、それを実現するための努力に、可能な限り寄り添い、全力で支えていきます。4年後、皆さんが卒業するときに、「東洋英和に入って良かった」「ここで学べて本当に良かった」と思えるような大学生活を今日からスタートさせ、皆さんの夢と希望を、皆さん自身の手でがっちり掴んで頂きたいと思います。

 皆さんの本学での4年間の学生生活が、充実し、実り多いものになることを心から期待し、また心からお祈りして、私の式辞といたします。本日は、ご入学、おめでとうございます。Welcome to Toyo Eiwa University, and wish you the best of luck in your study and school life. 東洋英和女学院大学へようこそ。

2022年4月4日

東洋英和女学院大学
学長 星野三喜夫