東洋英和女学院大学 生涯学習センター 2024年度公開講座
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前 期後 期前 期後 期前 期後 期文芸・教養講座番号定員20名 「患者中心の医療」ということが強調され、求められています。本講座では、患者となる市民の視点から医療を見直し、今後の医療のあり方を考えていきます。病院に行きますと、「患者の権利」についての具体的な内容を示した掲示や、新薬の研究への参加を呼びかける「治験」についてのポスターなどが目につくようになりました。しかし、それらが目指している「患者中心の医療」が実現しているでしょうか。皆さんの中には、医療に関わった経験から、さまざまな疑問や不満も持たれている方もいるのではないでしょうか。本講座では、米国において生まれ、「患者中心の医療」や「患者の権利」を主導し、世界的に展開されてきた「バイオエシックス(生命倫理学)」の基礎を学びながら、あなた自身が主人公になる医療を作っていこうと思います。現在の医療における問題、特に医療との関わりの中でいかに自分らしく生き、そして死んでいくことを望むのかを具体的な事例を用いて考えていきます。次のようなテーマを考えています。 ①「患者中心の医療」とは何か ─バイオエシックス(生命倫理学)を学ぶということ─ ②よい病院の選び方 ③医師とのつきあい方 ─患者・医師関係をめぐって─ ④治療内容の確認 ─処方箋の見方 ⑤薬の説明の受け方 ⑥インフォームド・コンセントのとらえ方 ─「オープン・ダイアローグ」の視点から─ ⑦死を受け容れる患者学になるということ ─「アドバンス・ケア・プラン講座番号定員20名 カトリックのシスターであった渡辺和子さんは、ベストセラーの著書であった『置かれた場所で咲きなさい』をはじめとして、さまざまな著作で「小さな死」ということについて述べています。「小さな死」とは、「本当の自分の死のリハーサル」であり、「自分のわがままを抑えること」であり、「新しいいのちが生まれる」ことであると論じられています。またフランスの思想家であったジョルジュ・バタイユは「性」への視点から自己存在の問題に結びつけて「小さな死」ということを論じています。このような「小さな死」ということを手がかりに、「自分の死」ということを身近な経験から考えていきます。 特に高齢者をめぐる「生」や「死」の問題を議論したいと思います。「死生学」というと、哲学や宗教学の難しい議論のようにも思われますが、かけがいのない自分のことであるということを出発点として、できるだけ皆さん自身の経験や言葉で議論できるように進めたいと思います。講座番号定員20名 私は現在73歳で、これまで大学の医学部や看護学部、医療福祉学部、人間科学部などで、人間の生命や健康、人生のあり方等について講義を行ってきましたが、それらの問題をあらためて切実に考えるようになったのは「終活」の経験であったと思います。その始まりは職場での年金についての手続きでした。60歳になった時に職場で年金受給に対して説明があり、労務士さんとも相談させていただきました。当時はまだ早いかなと思っておりましたが、高齢者に向かっての社会の制度の手続きがどんどんと進んでいきます。そんな中で、定年退職ということも視野に入ってきましたし、退職金や定年後の仕事や生活、そしてその先の「死」も考えざるを得なくなったという訳です。以上のような、私が実際に経験したことを交えて実践的な「終活」と、それに関連した死生学のトピックスを紹介して、死生学について考えていただければと思っています。「終活」は単に「自分の人生の終わりへ向けた手続き」ではなく、「死に向かう自己を見つめ、自己の死を受容しつつ、自分の人生を終焉させるための準備」と考えます。本講座では、「退職後の年金等の経済」・「介護保険との関わり」・「認知症への予防と対応」・「自分の所持品の整理」・「エンディング・ノートの書き方」・「終末期医療への希望と対応」・「相続への準備」・「終の住処へのニング」をめぐって─ ⑧死んだ後の「自分」のためにすること、など。 適時、テーマに関連した専門職(医師、看護師、薬剤師、社会福祉士等)をゲストスピーカーとしてお呼びしてお話を伺い、討論します。講座内容:学期完結 テキストには、渡辺和子さんの「小さな死」に触発された論考をまとめた拙著『小さな死生学入門─小さな死・性・ユマニチュード─』(東信堂、2018年)を使用します。講座内容:学期完結希望」・「葬儀への希望と対応」などの具体的な終活に関わる課題を「自己の人生と死への意味」を考えるチャンスとして捉え、終活を通して、自己の死生観を見つめ、考える「死生学」を構築することを目指します。講座内容:学期完結申込期間4/236/11申込期間4/256/13申込期間8/16(金)〜9/20(金)受講料25,000円10/1510/2210/2911/1211/1910/811/2612/35/286/4全10回5/306/6全10回全10回26見学OK体験OK途中参加OK割引対象3/4(月)〜4/5(金)受講料25,000円5/76/185/146/255/217/2見学OK体験OK途中参加OK割引対象3/4(月)〜4/5(金)受講料25,000円5/96/205/166/275/237/4見学OK体験OK途中参加OK割引対象12/1012/17ハイブリッドハイブリッドハイブリッド大林 雅之 本学名誉教授大林 雅之 本学名誉教授大林 雅之 本学名誉教授火曜日 14:50~16:20木曜日 14:50~16:20火曜日 14:50~16:20六本木六本木六本木市民のための患者学小さな死生学入門終活で学ぶ死生学210211212

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