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大学概要

学長室から

新年のご挨拶

新年のお慶びを申し上げます。

2025年を迎えました。新型コロナウイルスは一段落しましたが、昨年秋頃から新型インフルエンザやオリンピック・イヤーに流行るマイコプラズマ肺炎の感染が散発的に報告されています。横浜キャンパスでは大事に至っておらないのは幸いです。コロナの期間中、高校でもまた大学でも何かと制限が多かった分、学生達はキャンパスの内外で、講義はもちろん、ゼミや演習、実習、クラブ活動、地域協力・地域貢献活動等に元気に取り組み、自身の目と耳と足で経験値を増やしてくれており、嬉しく思います。

社会を見渡せば、AIをはじめとした様々な技術革新により、私たちを取り巻く環境は激しく変化し、今までは普通に活用できていたスキルや知識が陳腐化してしまっている場合が多くなっています。一方、これまで私たちが営々と築きあげてきた自然や、人間、社会に関わるシステムが調整機能と安定機能を失い、暴走する状況を目の当たりにしています。それは、例えば気候変動であり、パンデミックであり、格差と分断であり、そして武力による他国への侵攻を正当化する国家権力の存在と、民主主義国家が力を合わせても横暴を喰い止めることのできない世界体制等々、先が見通せない視界不良の状況にあります。このような混沌として不確実な時代だからこそ、飛び交う情報を取捨選択・精査し、個人レベル、あるいは所属している組織で何をすべきか、何ができるかを真剣に考えてみたいと思います。その際に拠り所となるのが、自分と隣人を愛し大切にする本学院の建学の精神である「敬神奉仕」なのだと思います。

高等教育を巡る環境が想定を超える速さで変化する中で、とりわけ私立大学、その中でも女子大学の運営は厳しいものがあります。しかし、より多様で柔軟な教育を提供するためには、建学の精神や理念に立ち返り、自らの存在意義や価値、使命、役割を問い直すことが大切であることは言を俟ちません。「女性はこうあるべき」といったジェンダー・バイアスに捕らわれることなく、学生一人ひとりに寄り添い、豊かな学びを通じて広い世界で生きる力を培う本学の教育は、変化する時代のニーズや社会の要請に応え続けており、男女共学の大学とは異なる学びの環境と価値を提供していると信じています。

2025年は、十二支(じゅうにし)で「巳(み)」、十干(じっかん)では「乙(きのと)」、2つあわせて「乙巳(きのとみ)」です。「乙巳」の2025年は、「再生や変化を繰り返しながら努力を重ね柔軟に発展していく」縁起の良い年です。学院は昨年2024年11月に創立140周年を迎え、150周年に向けた学院ビジョン「敬神奉仕Being Active in God's World~神さまから委ねられた世界で、人々のために自ら考え行動する~」を策定しました。大学は2024年に建学35周年を迎え、これを機に次の10年に向けた大学ビジョンを発表しています。2025年がスタートするに当たり、皆様と大学ビジョンを共有し、一緒に実現していきたいと考えています。

大学は現在「その先」を見据えています。2026年4月の1学部3学科への改組もその一環です。新学部の人間社会学部(設置構想中)のメッセージは「変わることを、楽しむために。」です。本学らしい、本学ならではの教育を行うための改革に向けた取り組みです。規模が小さいからこそ教職員との距離が近く、学生一人ひとりを大切にする本学の教育の良さをさらに高め、また競争力を強化して「敬神奉仕」の建学の精神のもと、協働力とコミュニケーション力をはじめとする総合力を身に付けた、次世代を担う卒業生を世に送り続けたいと思います。大学を巡る環境は厳しいものがありますが、教職員一丸となって困難かつ新しい時代の課題を解決して行きたい。以上のようなことに思いをめぐらせて、オール東洋英和女学院大学として、これからも世界や地域の状況にアンテナを高く張り、女性のニーズに応えられる高等教育機関であり続けられるよう、教職員と大学関係者の皆様と共に前進したいと思います。

引き続き皆さまのご理解とお力添えを賜りますよう、お願いいたします。

2025年1月
東洋英和女学院大学
学長 星野 三喜夫

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