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大学概要

学長室から

2024年度 大学入学式式辞

 新入生の皆さん、東洋英和女学院大学へのご入学、おめでとうございます。教職員一同、新入生の皆さんのご入学を心から歓迎いたします。また、新入生を大学入学まで支え、見守ってこられた保護者様はじめ、ご親族、関係者の皆様、大学を代表し、お慶び申し上げます。また、本日の新入生のご入学をお祝いするためにご臨席下さった来賓の方々、心より御礼申し上げます。

  2024年の今年は東洋英和女学院の創立140周年に当たり、また大学は開学35周年を迎えました。新入生の皆さんはそのような記念すべき年に本学に入学されました。大学は35周年を機に、「その一歩先」を見据え、変革の歩みに踏み出しております。本学は開学以来、女性の自己実現や社会貢献を重視する総合的な人間形成を目指し、幅広い分野で活躍できる女性の育成を目標としておりますが、学生一人ひとりを大切にする本学の教育をさらに充実させ、神を愛し敬うこと、また神から愛されている自分を自覚し、隣人を同じように愛し、仕える「敬神奉仕」の建学の精神のもと、協働力とコミュニケーション力をはじめとする総合力を身に付けた、次世代を担う女性を世に送り続けたいとの思いを教職員一同、新たにしております。

  さて、皆さんの多くは中学三年から高校にかけて、新型コロナウイルスのパンデミックにより、数々の制限の下で学校生活を送られたと思います。その分、本学の大学生活では、自然環境の良い本学キャンパスの空気を吸い、また教室の外にも出て、勉学に加えて部活動に、社会貢献や地域協力に、自身の目と耳と足を使って思いっきり活動して欲しいと思います。

  皆さん希望を胸に私の式辞を聴きながら、これからの4年間、英和生としてどう過ごそうか、あれをやりたい、これもやりたいと、いろいろと思いを巡らされていらっしゃることと思います。これから4年間の英和生としての学生生活のスタートを切る皆さんに、私から、二つのことをお願いしたいと思います。

  一つは、「Time is your friend」、時間をあなたの友人とすること、です。「Time is your friend」、これは、時間には限りがあることを意識し、時間を良き友として、4年間を過ごして頂きたい、ということです。4年間という大学生活の時間は長いようで、意外にあっという間に過ぎます。後で振り返って「時間がなくてやれなかった」とか、「あの時やっておけばよかった」と後悔することのないように、貴重なこの東洋英和女学院大学での4年間を有意義に過ごしてください。教員、職員や今日からできる友人とたくさん話をし、またたくさん本を読んでください。本学の図書館には32万冊の蔵書があります。学生だからこそ与えられる自由な時間を有意義に使って、本を読んで思索の旅に出るのも良いですし、部活やサークルに加わり、またキャンパスの外に出て、地域の人達と交流する活動を通して、学びの視野を広げてください。

  お願いしたいことの二つ目は、この4年間でできるだけ多くの経験をして、その経験をご自分の引き出しの中に入れて増やしていって欲しい、ということです。引き出しに入れた経験は、卒業後の皆さんの人生で必ず役に立ちます。出会える経験や学べる体験は教室の中はもちろん、教室の外にもあります。どしどし教室の外、キャンパスの外に出てください。皆さんは自転車に乗る人でしょうか。そういった人は、小さい時に自転車の乗り方を覚えた時のことを思い出してみてください。誰かに支えてもらって、まず補助輪付きの小さな自転車から始めたと思います。何度も何度も転んで倒れたりして、それでもまた乗ってまた倒れて、とうとうあの車輪が縦に2つ、重心がなく手を離したら倒れてしまう2輪車に乗れるようになりました。ハンドルがどうの、車輪がどうの、空気圧がどうのというのは頭で覚えたのではなく、自分の体で乗り方を覚えました。自転車が乗れるようになると、もう少し上手く乗れるようになりたい、もっと早く走れるようになりたい、ちょっと遠出もしてみたい、と思うようになりますが、それがちょうど今の皆さんだと思います。上手く乗れるようになった二輪車に乗るように、ときめく経験を増やしてください。経験を増やすという意味では、海外に行くのも一つの方法です。今いる日本という場所から別のところに身を置いた時、自分がどう感じ、どう考え、どう行動するか、見つめてみてください。自分の価値観、これまで何となく抱いてきた価値観や考え方に変化が生じて、一回り大きな自分と対峙し、対話をしている実感が沸いてくるのではないかと思います。本学は学生の皆さんが1年間や半年の留学や短期語学研修、語学留学に行けるよう、さまざまな渡航プログラムを用意しています。語学が得意な人も、そうでない人も、ちょっと背伸びして早いうちから留学や語学研修の計画を立て準備をして、今しかできない素敵な経験を増やして、一回り大きな人間となって戻ってきて欲しいと思います。

  皆さんのこの、「Time is your friend」時間を友とすること、そしてできるだけ多くの経験をして自分の引き出しをいっぱいにすること、そのことによって過ごす東洋英和女学院大学での4年間の学びと成長の機会を、教職員一同、最大限サポートをしますので、どうぞ、今日から勉学に、部活動に、また地域連携や地域協力の活動に邁進し、学生生活を大いにエンジョイして頂きたいと思います。

  さて、皆さんは今日から東洋英和女学院大学に入学された英和生です。本学は、キリスト教に基づく人間形成に主眼を置く高等教育機関であり本日の入学式もキリスト教の礼拝形式にて厳かに行っております。また、東洋英和の建学の精神「敬神奉仕」「神を敬い、隣人を愛し、人に奉仕する」、大学の母体である東洋英和女学院が創立された1884年(明治17年)から今日に至るまで140年間、一貫して揺ぐことなく受け継がれています。敬神奉仕は一言で言えば、神を愛し、人を愛すること、神に愛されている自分という存在を尊く思うこと、そして、自分と同じように周りの人を愛し大切にすることです。この「敬神奉仕」こそが本学院の真髄であり、教育の柱です。本学は、従って、キリスト教の精神に基づいて、「礼拝」と「祈り」を大切にしています。皆さんの中には、お家がキリスト教ではなく、仏教や神道を信じていらっしゃる、という方も多いと思います。そのような方にとって、「祈り」の対象はキリスト教でなくとも構いません。キリスト教のみならず、様々な宗教の「自分を愛し、人を愛し、大切にする」という考え方は根本のところで繋がっています。東洋英和の学生には、大学での「礼拝」や「祈り」を通して、自分が何のために存在しているのか、どのように生きるべきか、どのようにすれば自分を愛し、他人を愛し大切にすることができるかを、自分の心の中で絶えず対話をし、見つめられ、実践できる人間になって欲しいと思います。

  新入生の皆さん。今日の入学式は鳥居坂を上がった学院発祥の地の六本木で行っていますが、明日からはちょうど桜が満開の横浜キャンパスに戻り、大学オリエンテーションが再開されます。英和の緑の森の中でゆったりと時間が流れる静かな佇まいの横浜キャンパスの学び舎で、英和生として、知的にものごとを考え、創造的思考力を育てながら、同期生や先輩達と共に行動し、自身の人格と人間性を高め、皆さんの先輩達が営々と築き上げてきたこの東洋英和の伝統と校風、英和スピリッツを学び、引き継いで、そしてこの東洋英和の長い歴史を紡いでいく英和生になってください。今日のこの入学式の時点で、皆さんの中には、すでに「なりたい自分」が見えている人もいるでしょう。あるいは、何になりたいか、将来どのような職業に就きたいか、それを見つけるために大学に入ったという人もいるに違いありません。そういう方は、どうぞ在学中に多くの経験をしながら、それを見つけてください。私たち教職員一同は、「なりたい自分」を見つけ、それを実現するための皆さんの努力に、最大限寄り添い、全力でサポートしていきます。4年後、皆さんが卒業するときに、「4年間英和の森で学べて本当に良かった」、「東洋英和に入って成長できた」と思えるような大学生活を今日からスタートさせ、皆さんの夢と希望を、皆さん自身の手でがっちり掴んで頂きたいと思います。

  皆さんの東洋英和女学院大学での4年間の学生生活が、充実し、実り多いものにならんことを心から期待し、また心から祈念して、私の式辞といたします。本日は、ご入学、誠におめでとうございます。英和生になられた皆様を歓迎いたします。Welcome to Toyo Eiwa University, and wish you the best of luck in your study and school life. 

  202442日 

東洋英和女学院大学
学長 星野三喜夫



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