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大学概要

学長室から

2023年度 大学9月卒業式式辞

 卒業生の皆さん、ご卒業、おめでとうございます。本学で必要な単位を修得され、本日卒業される皆さんのご努力に対し、心より敬意を表し、教職員を代表してお祝い致します。また、皆さんの大学生活を力強く支えてくださったご家族、関係者地域の皆様にも心から祝意を申し上げたいと思います。

 卒業生の皆さん、東洋英和女学院大学での学生生活は充実したものでしたか。一生懸命勉学に励みましたか。ゼミ活動や部活、そして地域活動は如何だったでしょうか。もしかしたら、それ以外の好きなことに忙しくて、勉強や課外活動は少しさぼってしまった、という人もいるかも知れません。今年の春までの三年間は新型コロナウイルス禍で何かと制限が多く、窮屈なことを強いられて大変だったと思います。しかし、そのような環境の中でも、皆さんは、東洋英和女学院大学で研鑽を積み、知識とスキルを身に付け、教員・職員とたくさんの良い経験や体験を共有し、また、かけがえのない友達を作り、友情を育みながら、思い出をいっぱい作ったのではないかと思います。

 大学卒業は、人生における大きな節目の一つです。皆さんは今日、卒業の学位記を手にされました。皆さんがこれから書く履歴書には、東洋英和女学院大学を卒業し、学士の学位を取得したという新しい項目が加わります。どうか、東洋英和女学院大学の卒業生であることに誇りを持ち、本学で学んだこと、身に付けたことを基礎とし、また出発点として、一層の研鑽を重ねていただきたいと思います。

 皆さんの大学生活も今日で終わります。明日からは、授業やゼミで当たり前のようにしていた「みんなで集まる」ということはなくなります。しかし、大学を離れても、大学のことは忘れずに、卒業生として、いつまでも母校を大切にしていただきたいと思います。皆さんは、母校である東洋英和女学院大学の先生方、職員との連絡を切らさないようにしてください。良いこと、嬉しいことはもちろんですが、困ったこと、悩んでいることがあったら、卒業後も連絡をし、また相談をして欲しいと思います。ラインでメッセージを送る、あるいはスマホのショートメールでも良いので、近況を報告するようにしていただきたいと思います。それから、四年間一緒に過ごした友達とは今日以降、頻繁に会えなくなります。大学時代の友は一生の宝です。卒業後も学友を大切にしてください。

 卒業生の皆さん、明日からは、真の意味での社会人として、それぞれが選んだ地で、それぞれの人生を歩むことになります。四年前の高校の卒業式では、校長先生やクラス担任の先生から、「これから行く大学で、自由な時間を謳歌し、一生懸命勉強に励んでください」と言われて送り出されたと思います。大学の卒業式では「これで楽しかった四年間が終わり、厳しい社会に出ていく」ということを言わなければなりません。しかし、雛が巣だって自分で餌を採りに行くように、これまで親や保護者に養ってもらっていた半人前の存在から独り立ちする大人になるのですから、これはとてもめでたいことであり、人生のこの門出を大いに祝いたいと思います。

 東洋英和女学院大学は、皆さんより先に学び卒業していった16千人を超える先輩達が、日本国内はもとより、世界各地で活躍しています。皆さんは、明日からその卒業生の仲間入りをします。東洋英和女学院大学で学んだこと、経験したことを十分活かして、そして本学の卒業生であることに誇りを持ち、胸を張って、実りある豊かな人生を切り拓いていって欲しいと思います。

 最後に、卒業生の皆さんに、私の好きな言葉、「常に高い志を持って生きる」"Always keep  high and strong ambitions." という言葉を贈りたいと思います。「常に高い志を持って生きる」。この言葉は、日本の学者で、微生物の研究を四十五年以上に亘りこつこつと続けて来られて、2015年にノーベル医学・生理学賞を受賞された大村智先生が、若い人たちに良く言われている言葉でもあります。私も座右の一つにしているこの「常に高い志を持って生きる」"Always keep  high and strong ambitions."という言葉が好きです。今日のこの卒業式の餞の言葉として卒業生の皆さんに贈ります。幸運、つまり幸せな巡り合いは高い志が好きです。高い志を意識して努力を続ければ、幸運は向こうからやってくると思います。皆さんにはぜひ、常に高い志を持ち続けて、幸運が溢れる人生を送って頂きたいと切に願います。

 本学では、9月卒業生に対して、バラの花を卒業証書・学位記とともにお贈りしています。花の贈呈は東洋英和女学院の慣行で、その起源は戦前まで遡ります。本学では3月には黄色い水仙の花を、9月にはバラの花をお送りしています。皆さんは、花の一輪一輪に込められた「敬神奉仕」の建学の精神とスクールモットーをどうか忘れないで頂きたいと思います。それこそが、増々複雑化する世界に向かって船を漕ぎ出さんとする卒業生の皆さんの力強い支えと追い風になってくれるに違いありません。

 今日のこの卒業は皆さんにとっては東洋英和女学院大学での最後の日ですが、同時に、次のステップへの「始まり」「スタート」です。強い意志と高い志を持ち続けて人生を歩む皆さんの、今後のご健闘と、そして皆さん一人ひとりの未来に栄光があらんことを祈り、私の卒業式の式辞と致します。卒業生の皆さん、あらためて本日はご卒業、おめでとうございます。皆さんの未来に輝かしい実りと栄光があらんことを。Wish you the best of luck in your future.

 2023923

東洋英和女学院大学
    学長 星野三喜夫 

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