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大学概要

学長室から

2023年度 大学入学式式辞

 新入生の皆さん、東洋英和女学院大学へのご入学、おめでとうございます。また、皆さんを大学入学まで支え、見守ってこられたご両親様をはじめ、ご家族、関係者の皆様、そのご苦労に対しまして、心より敬意を表し、大学を代表し、お慶び申し上げます。教職員一同、新入生の皆さんのご入学を心から歓迎いたします。

 新入生の皆さん、新型コロナ禍の厳しい環境下での高校3年間、勉学や生活は大変だったことでしょう。皆さんはそれに辛抱強く耐えて、今日ここに東洋英和女学院大学の新入生となり、新入生に向けた私の式辞を聴いています。

 本日の入学式は、マスク着用は個人の判断として開催する運びとなりました。もちろん感染防止を施した中ではありますが、このような幸先良いスタートの中で、晴れて、新一年生をお迎えでききますことを、私個人としても、大変嬉しく思います。コロナウイルスがこの世界から消えてくれた訳ではありませんが、来月からは感染症法上の分類が変更されます。2020年からコロナ禍の閉塞感が続き、学校の行事やイベントの開催も自粛してきましたが、ここに来て、ようやく変化が訪れようとしています。明けない夜はない、と良く言われますが、まさしくその通り、夜明けがやってきました。10年後、20年後に振り返って、そう言えば、あの2020年からの3年間、私たちは新型コロナという感染症に苦しめられたんだよね、ということさえも、記憶から消えてなくなる日が早晩来るのではないかと思っています。

 さて、新入生の皆さん、希望を胸に東洋英和女学院大学に入学され、これからの4年間、英和生としてどう過ごそうか、あれをやりたいな、これもやりたいよねと、いろいろと思いを巡らされていらっしゃることと思います。キャンパスは徐々にコロナによる制限を緩和され、以前の日常が戻ってきています。本日の入学式から皆さんは4年間の学生生活のスタートを切るのですが、英和生になられて新入生の皆さんに、私から、二つのことをお願いしたいと思います。

 一つは、「時間」への意識を常に持ってこの4年間を過ごして頂きたい、ということです。時間には限りがあること、つまり時間の「有限性」、これをいつも意識して東洋英和での学生生活を送ってください。油断していると、4年間という大学生活の時間はあっという間に過ぎます。後で振り返って「時間がなくてやれなかった」とか、「やっておけばよかった」と後悔することのないように、貴重なこの東洋英和女学院大学での4年間をどうぞ有意義に使ってください。教員、職員や友人とたくさん対話をし、またたくさん本を読んでください。学生だからこそ考えを巡らせる自由な時間がたくさんあります。部活やサークルに加わり、またキャンパスの外に出て、地域の人たちと交流する活動も学びの視野を広げる良いチャンスです。

 お願いしたいことの二つ目は、この4年間でできるだけ多くの経験を積んで、それをご自分の引き出しの中に蓄積していって欲しい、ということです。引き出しにしまう経験は、あとあとの皆さんの人生で必ず役に立ちます。皆さんは今、カメラを使わずにスマホで写真を撮ることがほとんどでしょう。今時のスマホのカメラは解像度が高くて、手振れをすることなくきれいな写真や動画が撮れます。皆さんのスマホは画素数は900万でしょうか。あるいは1200万画素でしょうか。解像度が高ければ高いほど鮮明な写真が撮れる。それと同じように、物事に対する自分の見る目、解像度を高くすればするほど、素敵な経験ができます。対象となるものすべてをじっくりと観察して欲しい。高い解像度で情報を取捨選択し、視て、聴いて、経験をして、思考を高める、そしてそれをもとにご自分のセンスを磨いていく、それこそが皆さんにこの東洋英和の4年間で行って欲しいことです。

 課題は教室の中だけではなく、教室の外にもあります。どしどし教室の外、キャンパスの外に出てください。海外へ留学するのも経験を蓄積するという意味では一つの方法です。今いる日本という場所から離れたところに身を置いた時、自分がどう感じ、どう考え、どう行動するか、見つめてみてください。自分の価値観、これまで何となく抱いてきた価値観や考え方に変化が生じ、一回り大きな自分と対峙し対話をしている実感が沸いてくるのではないかと思います。本学は学生の皆さんが留学や短期語学研修、語学留学に行けるようさまざまな渡航プログラムを用意しています。英語が得意な人も、そうでない人も、ちょっと背伸びして早い段階から留学の計画を立てて、今しかできない素敵な経験をして、一回り大きな人間となって戻ってきて欲しいと思います。

 皆さんのこの、(1)時間が有限であることへの意識を常に持って、(2)解像度を高めてできるだけ多くの経験をし、それをご自分の中に蓄積する、このことによって過ごす東洋英和女学院大学での4年間の学びと成長の機会を、教職員一同、最大限サポートをしますので、どうぞ、今日から勉強に、部活動に、また地域連携や地域協力の活動に邁進し、学生生活を大いにエンジョイして頂きたいと思います。

 さて、皆さんは東洋英和女学院大学に入学されたわけですから、本学のこと、本学の成り立ちや本学の教育についてはおおよそのところはお分かりいただいているかと思います。本学は、キリスト教に基づく人間形成に主眼を置く高等教育機関です。東洋英和の建学の精神であり、本学の礎にもなっている「敬神奉仕」の言葉に本学の教育理念が凝縮されています。「神を敬い、隣人を愛する」この敬神奉仕は、母体である学院が創立された1884年(明治17年)から139年目にあたる今日に至るまで、一貫して揺ぐことなく、受け継がれてきています。敬神奉仕はつまり、神を愛し、人を愛すること、神に愛されている自分という存在を尊く思うこと、そして、自分と同じように周りの人を愛することです。この「敬神奉仕」こそが東洋英和女学院の真髄であり、教育の柱です。本学は、従って、キリスト教の精神に基づいて、「礼拝」と「祈り」を大切にしています。皆さんの中には、お家がキリスト教ではなく、仏教や神道を信じていらっしゃる、という人もいると思います。そのような方にとって、「祈り」の対象は最初からキリスト教というわけにはいかないかも知れませんが、キリスト教のみならず、様々な宗教の考え方への理解は、現代を生きる我々にとって必須の基礎知識だと考えています。東洋英和の学生には、本学での「礼拝」や「祈り」を通して、自分が何のために存在しているのか、どのように生きるべきか、どのようにすれば自分を愛し、他人を愛し大切にすることができるかを、自分の心の中で絶えず対話をし、見つめられる人間になって欲しいと思います。

 新入生の皆さん。緑の森の中でゆったりと時間が流れる静かな佇まいのこの横浜キャンパスの学び舎で、大学生として、知的にものごとを考え、創造的思考力を育てながら、同期生や先輩、後輩達と共に行動し、自身の人格と人間性を高め、皆さんの先輩達が営々と築き上げてきたこの東洋英和の伝統と校風、英和スピリッツを学び、引き継いで、そしてこの東洋英和の長い歴史を紡いでいく英和生になってください。

 皆さんの東洋英和女学院大学での4年間の学生生活が、充実し、実り多いものにならんことを心から期待し、また心から祈念して、私の式辞といたします。本日は、ご入学、おめでとうございます。Welcome to Toyo Eiwa University, and wish you the best of luck in your study and school life. ようこそ、東洋英和女学院大学へ。 英和生になられた皆様を歓迎いたします。

2023年4月3日

東洋英和女学院大学
学長 星野三喜夫 

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