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2019年度卒業生に贈る言葉

2019年度卒業生のみなさんへ

 卒業されるみなさん、おめでとうございます。必要な単位を取得され、また卒業論文をまとめられるなど、みなさんの在学中のご努力に対し、衷心より敬意を表したいと思います。本来であれば大学は、そのような敬意を卒業式典の挙行という形で具体化するところですが、ご承知のような新型コロナウイルス感染症拡大の状況および政府の対応に鑑み、式典中止のやむなきに至りました。まことに遺憾であり、私どもとしても苦渋の選択ではありますが、みなさんが4月からの新生活を健康に迎えていただくことを最優先とする決定でありますので、何卒宜しくご理解を賜りますようお願い申し上げます。

 青天の霹靂のように突如としてもたらされた今回の事態は、見方によっては私どもの生きる現代の世の中のありようを象徴しているともいえるでしょう。どこか外国の、普通の人には名前にも馴染みのないところで新たな疫病が突発し、それが瞬く間に世界中に拡散して感染を拡げてしまっていることも、それとともに恐るべきスピードでマスクその他の必要資材が流通から消えてしまったことも、いわゆるグローバル化や情報化、ICT化を最たる特徴とする現代社会の負の側面を見せつけているからです。

 今回の事態を例外的だと考えるべきではないでしょう。卒業されて社会の海へと新たな航海を始めようとされているこのときに、非常に厳しいようですが、みなさんがいままさに乗り出そうとしている先は、Turbulent Water すなわち荒ぶる海なのだということを肝に銘じていただきたいと思います。それでも、嵐の海に船出するみなさんには、その航海に堪えるだけの訓練がなされており、船には航海に必要な機材が積み込まれているということを信じていただきたいのです。みなさんが受領される学士という学位は、そのことの証にほかなりません。みなさんは、その学位にふさわしい羅針盤(コンパス)とそれを操作する能力を身に付けたはずなのです。装置の機能と、訓練の成果に自信を持って、嵐の海を乗り越えて行っていただきたいと切に願います。もとより、この東洋英和女学院の拠って立つ基盤はキリスト教の教えでありますから、本学でみなさんという船に積み込まれた羅針盤が指し示している方向は、その教えに則った建学の精神「敬神奉仕」という四文字であるべきでしょう。

 東洋英和女学院が創設されてから135年目、そしてこの大学が開学してから30年目という節目の年に社会に巣立っていくめぐりあわせになったみなさんに、革めてこれらの言葉をお贈りすることといたします。Bon Voyage!


2020年3月
東洋英和女学院大学
学長 池田 明史