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2021年7月 生徒礼拝

2021/7/7

生徒礼拝 高等部3年

 

東洋英和女学院の一日は礼拝から始まります。

今日は生徒礼拝。高等部3年生がお話をしてくれました。


使徒言行録 20章 35節

...あなたがたもこのように働いて弱い者を助けるように、また、主イエス御自身が『受けるよりは与える方が幸いである』と言われた言葉を思い出すようにと、わたしはいつも身をもって示してきました。」


先日、立ち寄った書店で一冊の本に出会いました。エーリッヒ・フロムが書いた『愛するということ』という本です。有名な本なのでご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。この本の中でフロムは「愛は技術である」と述べています。つまり、誰でも「愛する」という感情は生まれながらに備わっているものではなく、人に愛されることで徐々に学んでいくものなのです。生まれたばかりの頃は愛されることしか知らない赤ちゃんは、両親からの愛を受けて成長していきます。

 もしかしたら、私たちもまだ愛されることしか知らないのかもしれません。私たちは普段、家族はもちろん、先生方や先輩、同輩、後輩との関わりの中で様々な愛に触れています。悩みや苦しみを感じることもありますが、それでも恵まれた環境にいることができ、愛してくれる人もいます。そして毎朝の礼拝を通して神様に愛されていることに気づくこともできます。

周囲の人から愛されてばかりいる私たちですが、フロムは、『愛とは本来"与えること"にある。それはギブ・アンド・テイクが保証されているものではない。しかしそれでも与えなくては始まらない。なぜなら人は、与えられたことで変わるからだ。』と述べています。

この内容を読んで私は中1の時の年間聖句を思い出しました。「受けるよりは与える方が幸いである。」当時は、この聖書の言葉を本当の意味で理解できていませんでした。しかし、東洋英和での六年間の学校生活の中で様々な経験を通して実感し、理解できるようになりました。

中1の時、私はクラスの書記を担当していて、毎日終礼後に横黒板に日付やお祈り当番などを書いていました。友人に言われるまで書記をしていたことすら忘れていたので、何気なくやっていたのだと思います。しかしそれを覚えている友人がいました。私はこれまで人のために何もできていないと思っていたのですが、どんなに小さなことでも見ていてくれて、覚えていてくれる人がいるのです。中1の書記のこと以外にも、YWCAでの目立たない活動を覚えていてくれた友人もいます。見返りを求めず、純粋に誰かが喜んでくれる姿を思い浮かべながら作業をするというのは楽しいものです。去年のYWCAの活動で、コロナで交流ができなくなった原町聖愛こども園や、のぞみの家も子どもたちに手作りのコップ入れのプレゼントをしました。買い出しで多くの布の中から気に入ってもらえそうな柄を選んでいる時や、次々と形になっていくコップ入れを見ている時など、子どもたちのことを考えている時間は幸せでした。確かに、誰かに与えてもらうというのは嬉しいことです。しかし、自分のためではなく、誰かのことを考えて時間を共有することで、それ以上に大きな喜びを感じることができるのだと思います。

「 受けるよりは与える方が幸いである。」この聖書の言葉は、机上の空論ではなく、実際の私たちの生活で実感できることだと思います。そしてフロムが言う『愛は能動的な活動であり、受動的な感情ではない。そのなかに「落ちる」ものではなく、「みずから踏み込む」ものである。』という言葉にもつながるのではないかと思いました。

言葉にすると簡単なようですが、実行に移すには並外れた勇気と忍耐力が必要です。愛することの難しさ、これは私が六年の英和生活を通して感じていることでもあります。しかし、それと共に私は敬神奉仕を通して、多くのことを学ぶことができました。まず、私たちを導いてくださる神様に愛されているということを入学式の「あなたがたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたがたを選んだ。」という聖書の言葉を通して感じました。そして、神さまのお導きによって様々な人との出会いがありました。いつも私たちに背中を見せてくださり、応援してくださる先輩方、一人ひとりに尊敬するところがあり誇れる同輩、笑顔で支えてくれる後輩と過ごす時間は私にとってかけがえのない宝物です。 

私たち高三はあと半年で英和を卒業します。 この社会では、愛する能力を身につけることは容易ではありません。実際、英和を卒業して社会に出ると、真に人を愛することのできる人は驚くほどに少ないと思います。私たちも毎朝の礼拝がなくなり、神さまの愛を身近に感じることができなくなるかもしれません。しかし、愛する能力を身につけることが困難だからといって、その努力を放棄してはいけないと思います。フロムはこう述べています。『愛は能動的なものです。何よりも与えることであり、もらうことではない。』神さまに愛されていることに気づいた英和生にはその愛にとどまることなく、愛することの本当の意味、価値を知る恵みが与えられているのです。「愛は技術である」というフロムの言葉のように、神さま、隣人に愛されていることを忘れず、「愛する」ということの本当の意味が分かる日まで努力を続けられる人になりたいです。


お祈りいたします。

天にいらっしゃる父なる神さま、今朝もこうして礼拝を守れていることに感謝します。

私たちは弱く、愛するという本当の意味を知るまでに時間がかかります。愛する努力を忘れず、御心にかなう者となれるよう、お守りお導きください。

世界に目を向けると、新型コロナウイルス感染症や自然災害などで多くの方々が悲しみ、苦しみの中にいます。その方々に私たち以上の大きなお恵みをお与えください。

このお祈りを主イエス・キリストの御名によって御前にお捧げいたします。

アーメン

(1)司会も高3

(2)奏楽も高3

(3)お話はもちろん高3

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