2024/11/01

今月の聖句/礼拝報告

11月の聖句

ダビデに言った。「お前はわたしより正しい。お前はわたしに善意をもって対し、わたしはお前に悪意をもって対した。」

(旧約聖書・サムエル記上 第24章18節)

東洋英和女学院では毎年10月末から11月にかけて、特に「創立」へと想いを向けます。11月6日の創立記念日の前後は創立記念週間として、卒業生をお招きして朝の礼拝でメッセージをして頂きます。さらに、今年は創立140周年ということもあって、より一層、英和の歴史を深く心に留めている人が多くいます。
 歴史と伝統は、過去・現在・将来と繋がっていくものです。そこには、いつも「世代交代」があります。今月の聖句は初代イスラエルの王であったサウルから次の王となるダビデへの言葉です。もちろん、サウル王は世代交代など考えません。自分が王さまであり続けようと固執し、ダビデの命を狙い続けます。しかし、そのようなサウルに対して、ダビデは善をもって立ちはだかります。悪に対して悪ではなく、悪に対して善をもって向き合うのです。
 悪に対して悪が、世間一般の価値観であるかもしれません。やられたらやり返すところか、倍返しの世の中です。けれども、それでは報復と復讐の連鎖は止まりません。戦争を見れば明らかです。それぞれが「自分の正しさ」のみを主張するところに平和が訪れることはないのです。聖書は善意によって、愛によって本当の正しさがわかると伝えているようです。イエス・キリストの十字架が、その最たるものです。どれだけ世代交代をしつつも、本当に大切なものが変わらずにあることが、真の伝統を継承する歴史と言えます。