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卒業生からの寄稿文

2015年3月に東洋英和女学院高等部を卒業しました129期の大内麻代と申します。現在は群馬大学医学部医学科5年生です。先日ひさしぶりに英和で朝の礼拝を捧げる機会があり、その際英和の先生にお声がけいただきまして、このように英和と今の私についてお話しする場を与えられました。いつ帰っても温かく迎えてくださる先生方にお会いすると、ホッと安心すると共にまた頑張ろうと元気になります。

なぜ群馬で学んでいるはずの私が、平日の朝に現役の英和生や先生方と共に礼拝を捧げていたのか説明しますと、その日礼拝でお説教をする方が、ケニアの子供達に教育活動をなさっている市橋さら先生だということを高校2,3年生で担任だった先生が私に連絡をくださったからです。私は小学4年生から中学2年生までケニアに住んでいました。市橋先生にはその頃大変お世話になっており、私と英和を結びつけてくださった方でもありました。幸いその日は大学がお休みだったので、群馬から電車で2時間、久しぶりに英和に帰ってきました。礼拝でパイプオルガンの音を聴きながら、私は自分の英和生活を思い返しておりました。

前置きが長くなってしまいましたが、今回は英和での生活を通してなぜ私が医師を志すことにしたのかお話しさせていただきます。

先の理由があって、英和の中学部に中途編入することになった私は、久しぶりの日本の学校ということもあり、当時はとても不安でした。しかし、英和生はみんなとてもフレンドリーで、海外で育った私もあっという間に英和生となりました。

英和生、と言うとひとつの似通った仲間たち、という印象を受けるかもしれませんが、英和生の特徴は「みんなちがってみんないい」というところにあると思います。勉強に勤しむ生徒、部活動に力を入れる生徒、絵が得意な生徒、歌やピアノが好きな生徒、綺麗な文章を書く生徒、英語を熱心に学ぶ生徒、リーダーシップを発揮する生徒──誰か一人が優れているのではなく、それぞれの好きなことや得意なことが尊重され、お互いに高め合い、影響しあう環境が英和にはありました。また、それだけに限らず、道に迷ったときには相談にのってくれる先生、時に楽しく時に真面目に影響しあえる友人たち、道標を立ててくれる礼拝や聖書の授業が私のことを成長させてくれました。

英和には生徒それぞれが自分の長所を伸ばす機会があります。私は図書活動委員会や課外活動の日本舞踊、英会話部での活動のほか、高校1年生のときにはバングラデシュスタディツアーにも参加しました。委員会や部活動で新しいことに挑戦しようとする私たち生徒を、先生は積極的に、真摯に応援してくださり、だからこそ生徒たちも臆することなく、さまざまなことに挑戦できたのだと思います。

このような英和で過ごした時間が、自分のやりたいこと、やるべきことを明確にし、さらにその目的に向けて行動していく力をつけてくれました。

私は幼少期をケニアで過ごしたこともあり、将来については漠然と「発展途上国と関わることのできる仕事に就きたい」と考えていました。ケニアに住んでいたころは、JICAや青年海外協力隊の方とお会いすることも多く、彼らの途上国の人々への働きにも影響を受けました。また、なにより自分が育てられた、ケニアという国に大人になってから恩返しをしたいという気持ちがありました。

高校生になり、本格的に自分の将来について考えるようになった折、英和のサポートを受けてバングラデシュスタディツアーに参加する機会に恵まれました。自分の意思で途上国へ再び学びにいった経験は、私がなぜ、他の国々の人たちと関わりたいかを見つめ直すきっかけになりました。

実のところ、その夏、私は重大な決断をしなければなりませんでした。父の海外赴任が決まったため、また海外へ出るか、それとも日本で学び続けるか、という決断でした。英和の先生方は私の相談にのってくださりながらも、私自身の意思を最大限に尊重してくださりました。海外か国内か、悩んだ結果、私は日本の大学で医師を志すことに決めました。様々な土地で自分が直接人々と関わりながら働くことができる職業のひとつであり、私はどちらかというと理系で、考えることが好きだったからです。

成績が良いわけでも、小さい頃から医師になる夢があったわけでもありませんでしたが、自分自身で考え決めたこと自体も、その後の活力となりました。

英和に編入した当初は、幼稚園の先生を目指していると言って入学したので、その決意を先生方に話した際にはかなり驚いたそうです。しかし、先生方は私の決断を全力で応援してくださいました。周囲の医学部や、ほかの学部を目指す友人たちとは、良き勉強仲間であり、ライバルでありました。英和の伸び伸びとした環境だからこそ、辛い受験勉強も頑張れたのかもしれません。

いま私は医学部で勉強をしています。

将来海外で活動することができるように、国際医療ボランティアサークルに所属して、留学経験を共有したり、実際に海外で医療活動を行なっている方からお話を聞いたりしています。また、構内のEnglishCafeという留学生と学生や医療者が話せる場を運営したり、GFLという国際系の学内プログラムに参加したりしています。英語でのコミュニケーションや、新しく何か企画を作り上げていくという力も、英和での学びや経験、友人たちとの交わりから生まれたように感じます。

今年の1月からは病院実習が始まり、夢見ていた大学生活以上に勉強や課題が大変だったこともありましたが、それでもここまで頑張ってこられたのは、英和にいた頃、「なぜ自分がそれをしたいのか」という芯をしっかり鍛えられたからなのではないかと思います。周りにいる英和の友人たちも、それぞれ自分の目標や課題があって、久しぶりに話すと今でもそのエネルギーに影響されます。

今でも英和での生活を思い返せば、あの頃に戻りたくてたまりません。

しかし、英和での毎日が今に繋がっていたように、今やっていることが私の未来に繋がっているのだと私は知っています。

「わたしは、あなたがたのために立てた計画をよく心に留めている、と主は言われる。それは、平和の計画であって、災いの計画ではない。将来と希望を与えるものである。(エレミヤ29:11)」

これは英和の礼拝や授業でよく耳にした、私の好きな聖句の一つです。

卒業まであと2年ですが、今後も自己研鑽に勤しみ、自分の進みたい進路を見据えて、日々頑張っていきたいと思っています。

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